中国鉄道事業、2012年は巨額赤字か

【大紀元日本1月25日】中国鉄道部は2012年に巨額な赤字を計上したことが確実となった。正式な発表はまだだが、中国の経済情報サイト「21世紀経済報道」 は23日、鉄道部関係者の話として伝えた。マクロ経済の停滞や、需要を上回る大規模な鉄道建設、融資頼りの投資方式が主な原因だと、専門家は指摘する。

同報道によれば、全国各鉄道支局とも経営状況が苦しい。従来からの稼ぎ頭となる上海鉄路局は乗客と貨物の年度運輸目標を達成したものの、130億元(約1900億円)の赤字となった。南昌鉄路局は79億元(約1150億円)、広東省鉄路局は26億元(約380億円)とそれぞれ赤字を計上している。「2012年、鉄道部の赤字経営は決定的だ。しかも額は非常に大きい」。報道は鉄道部関係者の話として伝えた。

赤字は(鉄道を運営する)地方の鉄道局だけでなく、建設を請負う工程局も資金難に直面している。中国工程院の院士で鉄道建設技術の権威的存在である王夢恕氏はこのように指摘する。鉄道局からの支給が遅れると工程局は銀行から融資を受けざるを得ない。「一部の工程局の負債比率は80%~90%に達している」と王氏は明らかにした。

同報道はさらに、鉄道事業の巨額な赤字の原因を▼マクロ経済が停滞し、大口貨物の運輸需要が激減した▼急ピッチに進められた鉄道建設が需要を超えた▼運営資金は主に融資に頼っている、からだと分析。「高速鉄道が開通すればするほど、経営の圧力が強くなる」という。

これまでの政府発表によると、鉄道部は2012年、2千億元の債券を発行し、年間の利払いは300億元に達している。今後数年間、鉄道部が債券の発行と銀行融資に頼る大規模投資はまだ続くと見込まれており、「鉄道部の負債比率が引き続き上昇するであろう」と同報道は指摘した。

(翻訳編集・叶子)
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