両会で神韻が話題に 著名音楽家、「舞台は非常に魅力的」

 作詞作曲家の徐沛東氏(ネット写真)

【大紀元日本3月12日】北京で開会中の「両会」の一つとなる人民政治協商会議(政協)の6日のグループ別会議で、著名な作詞作曲家の徐沛東氏は、中国大陸の音楽団体の粗悪な舞台を嘆く一方、共産党政権が目の敵にしている、在外華人による神韻芸術団の舞台には「驚嘆した」との感想を口にした。

香港英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト(南華早報)の報道によると、徐氏は政協文芸グループの討論会で、神韻芸術団の舞台は「観客動員は非常に成功している」と認め、中国の伝統文化、歴史物語や神話に基づいた舞台に「驚嘆した」と語った。「正直に言うと、この舞台(神韻)は非常に魅力的だ。現代の舞台設計も取り入れられており、二世・三世の在外華人を主要メンバーとする団員らもしっかりしたトレーニングを受けている」

神韻芸術団は米国ニューヨークに拠点を置く舞台芸術団体。共産党政権下で破壊された中国の伝統文化の復興を目的としているため、世界巡回公演を開始した2006年から同政権の妨害を受けている。公演会場への脅迫電話や誹謗中傷、ビザの不発行など様々な手口が使われてきた。

だが、こういった妨害は正統な芸術に勝てるすべもない。中国の古典舞踊と民族舞踊を披露する神韻公演はすでに世界で数百万の観客を動員している。「政府の資金援助を受けている国内の団体よりも、(神韻のほうが)人気が高い」と徐氏も強調した。

氏はさらに、高水準の神韻舞台と引き合いに、海外ツアーを行う国内団体の「玉石混淆」ぶりを批判。多くの低レベルの団体は「箔付け」のために、政府の援助資金を用いて世界有数のホールで公演を行なっている実態を明らかにした。「お金を出して見物人を買っている」「かなり滅茶苦茶なものもある」と氏は切り込んだ。

「外国人は、中国人が来たということしか分からない。中国の文化・芸術はこんなものだと思われてしまう」。徐氏は国内団体による粗悪な舞台の氾濫に対して危機感をあらわにした。

徐氏は1990年に北京で行われた第11回アジア競技大会のテーマソングを手がけるなど、国内では実力派作詞作曲家として知名度が高い。中国軽音楽家協会の副主席や海外聯誼会の理事を務めるなど、体制内の音楽家でもある。政治協商会議の場において、これまでも国内団体への批判はあったものの、政権が目の敵にしている海外の団体を公に認めるような発言は異例であり注目されている。

一方、徐氏が憂慮した国内団体のステージとは一線を画し、本物の中国伝統文化を表現する神韻世界ツアー2013日本公演は4月19日に東京で開幕、横須賀、名古屋、西宮、福岡で計11公演を行う予定だ。

(翻訳編集・張凛音)