【神韻ブログ】いつでも、どこでも

【大紀元日本4月1日】トロントでの最終公演が終わり、カナダツアーの成功を飾った。畏怖の念に打たれる体験だった。全ての公演がほぼ満席で、観客は実に熱心。パフォーマーのやる気を大いに奮い立たせてくれた。

公演の一つで、上演中ずっと、オーケストラのレールにもたれかかっていた男性がいた。舞台からピット、ダンサーからダンサー、楽器から楽器に視線を移し、微笑んだり頷いたりしていた。ちょっと集中力が削がれたが、これほどまでに舞台にのめり込んでいる観客がいるということは嬉しいことだった。初めて神韻に参加した時、正直言って少し圧倒された。中国五千年の舞踊と音楽を通して、中国文化の純粋な真髄を2時間で表現する! そんなことが可能だろうか? 観客は理解してくれるだろうか? でも、このような体験が次のように教えてくれた。「そうだよケヴィン、分かってくれてるよ。それだけでなく、喜んでくれてるよ!」 

観客の期待に応えるよう、完璧な舞台を目指している。このことは僕が気に入っている神韻のもう一つの側面だ。皆、本当に一生懸命だ。常にせわしない。退屈な環境、のんびりとした一日というのは存在しない。給料や昇進のため、スポットライトを浴びたいために熱心なのではない。皆、一つの目標のために専心しているのだ。「可能な限り純粋で最も美しい舞台を観客に届ける」まさにこれが目標だ。 

完璧な舞台のための練習の様子を紹介しよう。モントリオールからトロントまでの路上で、今年最初の「バスリハーサル」があった。バスの中でデリケートな楽器を演奏するには、揺れが激しい。そこで、バスの先頭にいる指揮者に合わせて、自分の演奏部分を声で奏でる。歌えれば演奏できるということだ。ナッツやレーズンのパックやスナックを片手に、プロの演奏家が楽譜を膝に置き、複雑な音調を歌い上げるという正気でない練習が行われるのだ。演奏家は、指や手の動きや器用かもしれないが、ボーカリストとしての訓練は受けていない。

バイオリンの高音を声に出そうとして、息が詰まりそうになったことがある。1ページにわたる急ピッチの16分音符を歌い通し、舌が痛くなった。トロンボーンの演奏家が思わぬ大声の持ち主で、鼓膜が破れるかと思った。打楽器が一番おかしい。中国古来の打楽器を幅広く利用しているので、グアン!チン!ディン!チア!など音を真似て口にするが、まるで中国人の名前をふざけて使っているように聞こえる。しかし、このような混とんはわずか数分に過ぎず、まもなく演奏家としての正気が取り戻される。バイオリンはオクターブ下げて歌うことで、音律が明確になってくる。音量も調整し、ハーモニーが生まれる。ボーカルだけのアンサンブル、アカペラ・オーケストラのリハーサルとなる。打楽器はまだ笑ってしまうが、これ以外の音は出せない。舞台全体のリハーサルがこうして行われる。2時間、休みなく自分たちの演奏部分を歌いきるのだ。

アメリカに戻った。北米、そしてヨーロッパでのツアーを心から楽しみにしている。神韻の芸術を世界の人と早く分かち合いたい。おかしなことに、次回のバスリハーサルのことを考えると心がはずむ。

世界ツアーの日程をチェックして、次のパフォーマンスで会おう!(その時はきちんと楽器を使えているはずだ)

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中国伝統の復興を掲げ、毎年世界巡回公演を行う神韻芸術団。団員たちは世界各地で様々な体験をしているようです。アーティストたちの目線で描いた世界の街角、食べ物、お祭り、ニュース、また練習秘話などの出来事を、この【神韻ブログ】コーナーでご紹介しています。

中国伝統舞踊の復興を掲げる神韻芸術団を大紀元はサポートしています。

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