なぜ中国共産党は神韻を怖がるのか

中国共産党政権による神韻公演に対する世界的な妨害。なぜ、わざわざこのような素晴らしい公演を後押しせずに阻止しようとするのだろうか。昨年のロンドン公演を妨害した中国大使館の行為を分析した在英の作家、張朴氏が大紀元に寄せた記事を紹介したい。

 なぜ中国共産党(以下中共)は神韻を怖がるのか。60年以上続いた共産党政権は、中国の伝統文化、道徳観念を破壊してきた。 現代の中国には文化は存在しない。言うまでもなく、伝統的な文化、芸術は皆無だ。

 社会全体から道徳観念は拭い取られ、金銭だけが動機づけだ。 専制的な団体である中共は、銃で人を統治し、共産党文化を中国文化として世界に広めるため、世界に芸術団を送り込み様々な広報活動に専念してきた。しかし、その内面には寛大なコスモポリタンの要素が欠如している。

 海外に送られた芸術団のメッセージは、党のイデオロギー。中国の伝統文化と呼びながらも、実際の伝統文化とはかけ離れたものだ。神韻は中国の伝統文化の真髄を明確に表現するため、観客にとってどちらが真の芸術を表現しているかは一目瞭然。こうして自分たちが偽物であることが判明してしまうことは、中共が神韻を恐れる理由の一つだ。

中共によるプロパガンダ

中共が恐れるもう一つのものは、西洋の自由社会。中共は世界との接触なしで生存することはできない。長年にわたり国民を不法に迫害してきたため、西洋社会では中国を専制的で暗く、国際社会における「ならず者」の存在としてみなしている。

 このイメージをぬぐい去るため、何百億元もの予算を費やして、壮麗なプロパガンダで西洋社会を洗脳し、東洋人も中国文化はこういうものだと受け入れさせる試みをはかっている。しかし、中共は、困難に出くわした。神韻芸術団の存在なのだ。

 神韻芸術団には、三つの同格の芸術団とオーケストラがあり、毎年、世界を同時に巡演する。数百に上る公演を通して、世界の観客は、真の中国の伝統的な文化と、正統芸術の奥行きと壮大さを体験している 。

 神韻は 純粋な崇高美とは何かを提示し 、中国の伝統文化の内包を世界の人々に紹介している。このため、一度神韻を鑑賞すれば、中共による芸術団のプロパガンダを見抜いてしまう。

 中国五千年の文明の真髄を提示する神韻の前では、中共が大金を手にして、賄賂を送り、プロパガンダを流しても、水の泡になってしまう。

真の伝統文化

中共が最高レベルとする公演をロンドンで観た。また、同じロンドンで神韻も観た。実に対象的だった。中共の最高レベルの公演では、人民解放軍の総政治局員が現れ、 猥褻なジョークを並べ、舞台でいちゃつくだけだった。

 用いられた踊りは何十年間にもわたっての中共による定番。解放軍が洗濯をする「洗濯の歌」が登場。長年にわたり人々があざ笑ってきた内容だ。芸術ではない。観た人にどんな効果があると思っているのだろうか。

 対照的に、ロンドンの神韻公演は満席で、社会のあらゆるレベルの人が鑑賞し、神韻の芸術に畏怖の念を抱いていた。単なる芸術にはとどまらない。崇高で、正統で、高尚だ。道徳観は力強く、人々の心に触れ、世界で迎え入れられている。まともな頭脳を持っていれば、西洋人、東洋人に関わらず、現代中国には伝統的な文化も価値も存在しないことが明確に把握できる。

自由な芸術表現は阻止できない

英国の中国大使館は、劇場に対して賄賂や恐喝を通して予約をさせないようにしてきた。 金銭ではなく、あれこれを代表するためのものでもなく、中共の価値観、考え方が根本的に西洋の価値観と異なるということが理解できないようだ。

 中共は金さえ出せば自分たちの意図するように西洋人が動くと思っている。しかし、理念と金銭の選択に迫られた場合、ほとんどの西洋人は理念を選ぶ。

 劇場のトップ、支配人、企業などが中共の恐喝や賄賂に屈したことが分かれば、英国では一般からの手厳しい批判にあうことだろう。企業は倒産しかねない。信頼を失い立場がなくなってしまう。中共に屈するものはなく、中共の思うつぼにははまらない。

(翻訳編集:紫金)