人権団体が「死体の身元」調査要求=カナダの人体標本展

【大紀元日本9月12日】カナダの人権団体は、同オンタリオで開催中の人体標本展に、死体の身元を調査するよう地元当局と警察に要求した。中国当局から非人道的に扱われた「良心の囚人」である可能性を指摘している。

2014年2月から12月まで公開される人体標本展「人体の秘密(Bodies Revealed)」では、プラスティネーションと呼ばれる生体の永久保存技術を使用した人体に、様々なポーズをさせ、内臓や血管などの内部構造を展示している。主催者は米国アトランタに拠点を置く。

人権団体「チューズ・ヒューマニティ(Choose Humanity)の顧問弁護士は9日、記者会見で「調査は死体が拷問を受けていたものか、殺されたものか等、さまざまな疑問を解くために重要だ」と述べた。またカナダにいる中国人の親類には、政治・信条などを理由に、中国で不当に拘留されている者がいるため、DNA鑑定が可能であるとも指摘した。

人体の不思議展」などの過去の人体を標本とした展示はかねてから、人権侵害や倫理的な問題から、中止を求める声が上がっている。

売られる死体 中国当局の利益に

大紀元は、元共産党幹部で失脚した薄熙来と妻の谷開来が、刑務所の受刑者を人体標本展のために売買していたと報じている。薄が市長を務めていた遼寧省大連市にはプラスティネーションの特許を持つグンター・フォン・ハーゲンス氏とともに設立した死体加工工場があった。薄と谷にはそれぞれ横領と殺人の罪で懲役刑が下っている。

1999年以後、中国当局は伝統的気功法の法輪功を修煉するものを取り締まり、迫害し、不当な拘留を続けている。アムネスティなどの国際人権団体の調べでは、何十万人もの法輪功修練者が巨大な中国「人体バンク」である刑務所や強制労働収容所に閉じ込められていると伝えている。

日本でも開催され650万人が入場

日本でも同様な標本展が「人体の不思議展」という名で2002年~2011年まで全国各地で開催され、650万人を超える人が入場した。同展に対し、2008年ごろから全日本民主医療機関連合会 (全日本民医連)や全国保険医団体連合会 (保団連) の各支部や各種団体、著名人などが開催の度に人道的見地から開催中止要求を出していた。そのため2011年の京都を最後に、日本では開催されていない。

(翻訳編集・佐渡 道世)
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