秘密めいた中国エボラ対策、広州ホテルが隔離施設に=VOA

【大紀元日本11月26日】中国は他の国と同様、エボラ出血熱の感染を防止するための措置を講じている。しかし、中国政府は具体的な対策を明らかにしていない。米海外向け放送ボイス・オブ・アメリカ(VOA)は25日、同社記者が中国の広州市を訪れた際、エボラ臨時隔離施設とされるホテルカントン(Hotel Canton)で行った取材内容を報じた。

ホテルカントン(中国語名:広州大廈)は市の中心部に位置する広州政府の宿泊所として知られている。同ホテルは現在、通常どおりに営業しているが、エボラ出血熱感染の疑いがある外国人や医療従事者と保健当局のために、ホテルの数階を区切って宿泊を提供している。

ホテルで出会った数人のアフリカ人宿泊者が匿名との約束で記者の取材を受けた。彼らはホテルの隔離部屋に宿泊し、当局の経過観察を受けている。

シエラレオネからのビジネスマン、モハメッドさんは取材に対し、「いつも泊まっていたホテルにパスポートを出してチェックインした際、約2〜3時間を待たされ、『申し訳ないが、ご宿泊いただけない』と言われた。その時は、オーストラリアから13時間かけてここに来たので、とても疲れていた」

その後、転々と数か所のホテルに宿泊拒否された後、一人のホテル関係者が友人から聞いた話として、モハメッドさんに「ホテルカントン」にしか宿泊できないと案内した。

取材を受けたすべてのアフリカ人宿泊者は、無料で宿泊施設を提供されたことに感謝を示した。しかし、一部の人々は懸念を表明した。

コンゴ民主共和国からの一人の女性実業家は、「ホテルのスタッフは毎日タオルをかえてくれるが、シートの交換はしない。私たちが退去した後、ホテル側は、これらのシートを焼却処分にする嫌な予感がある」と述べた。

「エボラはアフリカで発生したので、対策を取らなければならない。しかし、犬のように私たちを扱うべきではない。毎日、朝と晩に体温検査などが行われる。何の発症の兆候がないにもかかわらず、私たちを信頼せず、何も教えてくれない」

ムーサさんはトーゴから来たが、ギニアのパスポートを所持している。ムーサさんは「ギニア、リベリアとシエラレオネなど感染国から来た外国人、或いはこれらの国の旅券を持つ人々に対し、エボラ感染者扱いされる。しかし、これらの国を訪れた欧米諸国の人々に対してはそうでもない。まるで、エボラウイルスを運ぶのは人でなくパスポートのようだ」と中国当局の対応に不満を訴えた。

こうしたアフリカ人の新規入国者に対し、中国政府はしばらくの間、エボラ防止策を変更しないとみられる。

(翻訳編集・王君宜)
関連記事
このほど、雲南省の街中で、交通警察が走る車を止めるために、「当り屋まがい」なことをしたことがわかった。
元第8空軍司令官のE・G・バック・シューラー氏は、「Defense post」に掲載された最近の記事で、米国の自動車メーカーにガソリン車の販売を中止させ、電気自動車(EV)への切り替えを強制することを目的としたEPAの新しい排ガス規制は、米国を中国の言いなりにするだろう」と警告した。
2024年5月1日~3日、中国湖北省随州市の数千人の住民は政府による「葬儀改革政策」の廃止を求めて街に出た。
2024年5月8日夕方、中国河南省信陽市で小学生41人が学校で夕食を摂った後に嘔吐と下痢などの食中毒を疑う症状が現れたことがわかった。
2024年5月9日、「小学校2年の息子が学校の昼休み時間に異常な死に方を遂げた、学校に説明を求めるも現地公安によって殴打された」と訴える母親の動画や画像が中国のネット上で検閲に遭っている。(母親が発信した動画より)