中国、ロシアの宣伝工作に加担 ハイテク企業も共犯者に

2022/03/23
更新: 2022/03/23
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中国共産党機関紙「人民日報」や国営英字紙「チャイナデイリー」などの中国メディアは、ロシアウクライナ侵攻をめぐって、反米・反北大西洋条約機構(反NATO)などの親ロシア政権の宣伝工作プロパガンダ)を積極的に推進している。

「人民日報」傘下の「環球時報」は、ウクライナを台湾になぞらえて、将来の中国共産党の台湾侵攻を正当化しようとさえしている。

共産党支配下の中国メディアは、プーチン露大統領の侵略行為を、ウクライナに住むロシア人に対する「大量虐殺」や、ロシアと中国を脅かすとされる「NATO拡大」を阻止するための「特別軍事作戦」と美化するロシアのプロパガンダを流し続けている。これらの根拠のない政治的プロパガンダは、主権国家に対するプーチン氏の血なまぐさい侵略戦争を、医師による外科手術のように粉飾しているのである。

ロシア軍がウクライナで小児・産婦人科病院など複数の病院を破壊したことを考えると、中国共産党による偽情報拡散は最悪であることがわかる。中国共産党は検閲システムや自国のハイテク企業を悪用し、ロシア軍によるウクライナの病院、学校、アパートへの爆撃に関する情報や、ウクライナ人への同情的な発言をソーシャルメディアから削除している。

中国のプロパガンダ機関は、米国がウクライナの生物兵器研究所に資金を提供したというロシアの主張を大々的に宣伝している。ロシアのメディアは、偽情報を流すことを好んでいる。例えば、米国のビクトリア・ヌーランド米国務副長官は、米国が支援する生物学的研究がウクライナで行われていることを認めたという話。実は、これは真っ赤なウソである。

中国共産党は偽情報を流し、真実を隠蔽することで、ロシアのプロパガンダを支援している。その主な目的は、米国とNATOを攻撃すると同時に、国内で好戦的なムードを煽り、台湾への武力侵攻に備えることである。

「(中国の)外交声明やソーシャルメディアでの議論では、ロシアのウクライナ侵攻は、欧米(主に米国)の侵略に抵抗するために必要な措置として合理化されている」と、米国の政治学者マリア・レプニコワ氏とウェンディ・ズー氏は3月11日に米アトランティック誌で発表した共著記事で述べている。「中国当局はロシアのウクライナ侵攻を明確に支持することはなかったが、この紛争は米国が引き起こした軍事的エスカレーションの結果であると解釈している」とも指摘。

米国当局は当然、ロシア政府がプロパガンダで「真っ赤なウソ 」をついていると反論した。 しかし、ロシアの嘘は、中国共産党の多様で多層的なプロパガンダと偽情報のネットワークを通じて世界中に広く流布し、米国、フランス、ドイツ、イギリス、カナダ、インド、バングラデシュなどの民主主義国の国民を混乱させ、民主主義国とその同盟国が力を合わせてロシアと中国共産党の暴力と野心を封じ込めるための有効な対策を講じる上での障害となっている。

一方、中国版ツイッターのウェイボー(微博)、ネットサービス大手のテンセント(騰訊)、TikTokの親会社であるバイトダンスなどの中国の大手ハイテク企業は、中国共産党の指示のもと、ロシアの偽情報作戦に加担している。これらの企業の多くは、「環境・社会・ガバナンス(ESG)」の基準を満たすとされるパッシブ型投資信託を通じて、欧米から大規模な投資を受けている。

しかし、投資家は中国の株式市場に不吉な兆しを見出している。先週は、ロシアと中国政府の有害なプロパガンダを推進するテクノロジー株を含む中国株式や債券にとって、ここ1年で最悪の事態となった。

欧米の機関投資家は中国企業の保有株を大幅に減らしている。その多くは、証券取引委員会の会計監査要件に従わないために米国で上場廃止になったり、中国当局によるウイグル族などの大量虐殺への関与だけでなく、今回のロシア経済への関与によって制裁を受けたりする可能性がある。

これに中共ウイルス(新型コロナウイルス)感染拡大、住宅市場の低迷、物価の上昇、香港市場での中国株売りの拡大などの下押し圧力が加わり、中国株式市場の窮状をさらに悪化させたことは確かである。また、米国の中央銀行である連邦準備制度理事会(FRB)の金融引き締めにより、米国以外の投資先から安全資産である米国債などに資金が流出し、より全般的な下落圧力が中国の資産に悪影響を及ぼしている。

香港のハンセン指数は先週5.6%下落し、ハイテク株は11%下落した。テンセントと中国の電子商取引最大手のアリババ・グループは取引に苦戦している。これは、中国共産党がプロパガンダのために中国企業を操っているという認識が広がっていることを反映している。

中国企業の海外上場は、米中両国の当局から圧力を受けている。米国はすべての米国上場企業に会計の透明性を要求し、中国は中国のテクノロジー企業の海外上場を国家安全保障上の脅威とみなしているのである。

世界中が対露経済制裁を加えている中、中国共産党はロシアに経済を開放しているだけでなく、ロシアのプロパガンダを積極的に広めている。中国政府とそのテクノロジー企業は、ロシアのウクライナに対する侵略戦争において、その立場を明確にしている。

投資家は中国市場やその同盟国の市場を撤退する時期に来ている。なぜなら、これらの資金は、偽情報やプロパガンダの拡散を強化し、さらには独裁者に戦争を仕掛けるための燃料として使われているからである。これらの独裁政権に投入された資金は、ますます血生臭くなり、国際社会の民主主義を脅かす存在となるだろう。これを阻止しなければならない。

執筆者プロフィール

アンダース・コアー(Anders Corr)博士は、2001年にイェール大学で政治学の修士号を、2008年にハーバード大学で政治学の博士号を取得した。彼は、政策情報分析会社であるCorr Analytics Inc.の代表であり、雑誌Journal of Political Riskの発行人でもある。著書に『The Concentration of Power(仮邦訳:権力の集中)』(2021年刊行予定)、『No Trespassing(立ち入り禁止)』などがある。

オリジナル記事:英文大紀元の「China’s Tech Companies Amplify Russian Propaganda on Ukraine」より

(翻訳編集・王君宜)