四川省、8歳のHIV感染男児が「村八分」 住民ら「出ていけ」と要望

【大紀元日本12月18日】四川省西充県のある村で、住民らが連名でHIVウイルスに感染した8歳の男児に対して村を離れるよう求めた。

人民日報電子版によると、村の住民代表らは7日、特別会議を招集し、「男児を村から追い出す方法」について議論を行なったという。会議で村長は「男児の存在は住民に恐怖を与えた」と訴え、「村から離れてもらい、治療を受けさせる」という要望書を関連部門に提出するという。要望書に203人の住民が署名し、捺印した。男児の祖父も「仕方がなく署名した」。

男児は5歳のときに、怪我で血液検査を受けてHIVウイルスに感染していることが判明した。母親からの感染だとみられる。その後、両親は行方をくらまし、父方の祖父が養育している。要望書に署名したが、「養育を放棄するつもりはない」と祖父は言う。

住民は男児のことを「時限爆弾」と呼び、接触を拒んでいる。同年齢の子供が「感染すると困る」と親から一緒に遊ばないようにしつけられている。現在、就学できておらず、村で孤立している。村の幹部は男児の境遇について「同情するが、エイズは恐ろしすぎる」と話した。

差別問題に取り組むNGO団体・天下公(本部=南京)の于方強氏は17日、米政府系放送局ラジオ・フリー・アジア(RFA)の取材で、「一般市民はエイズについて無知だ」と述べ、「エイズ患者も普通の人と一緒に暮らし、同様に教育や就職、医療を受ける権利がある」と男児を追い出そうとする村の対応を批判した。

中国当局の発表によると、今年10月までエイズを発症した患者またはその原因となるHIVの感染者は、計49.7万人に上ったという。中国衛生省がかつて感染者差別状況について行った調査によると、感染者は医療従事者の四分の一から、公務員や教師の三分の一から差別を受けたと回答している。

(翻訳編集・江音)
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