中国の合成麻薬「5ドルの狂気」、あいつぎ摘発

中国製の合成麻薬、合法ドラッグの一種「フラッカ」が欧米諸国で蔓延している。即効性があり安価なその麻薬の別名は「5ドルの狂気」。フィナンシャル・タイムズ紙が報じた。

報道によると、フラッカの流入元は中国と見られており、米国では多数の死亡例が報告されている。中でもフラッカが急速に蔓延しているフロリダ州では、2011年に1件にとどまっていた摘発件数が15年には約2000件に激増したため、同州の大陪審は先月、このドラッグを規制するための特別法の制定を求めた。

同大陪審の試算によると、米国の麻薬密売人が中国からフラッカを入手する際の購入金額はキロ当たり1,500ドル(約17万円)だが、米国での末端販売価格は48,000ドル(約567万円)に上る、密売によってかなりの利益が得られるとみられる。

米政府はこのほど大規模な取り締まりを行って151人を逮捕し、合成麻薬数千キロ(1500万ドル、約17億7400万円相当)を押収した。米当局はこれらのドラッグを中国の密造工場で製造されたものとみている。また、米麻薬取締局(DEA)は、今回の摘発で「中東の某国家」にも売上金数百万ドルが流れていることが明らかになったと発表した。

◇合法ドラッグ問題

同紙はまた、国連薬物犯罪事務所の専門家の話として、フラッカを含むデザイナーズドラッグ(類似麻薬)、または合法ドラッグといった合成麻薬の蔓延は、もはや「狂った状況」にあると報じた。法をすり抜けるために麻薬の分子構造の一部を組み替え、新種の薬物として続々と製造されているこれらの麻薬。近年はその種類が激増、09年には126種だったが昨年は500種が報告されている。

フラッカの入手は、その他の合成薬物と同様に非常に簡単で、インターネットを通じて中国国内の企業から購入することができる。昨年10月まで、フラッカは中国で取り締りの対象になっていなかった。

消息筋の話では、中国がフラッカを含む麻薬115種類の取り締まりを決定したのは、欧米諸国から長期にわたって圧力をかけられたからだという。

中国は覚せい剤の一種、メタンフェタミン(ヒロポン)の密造国家ともいわれている。オーストラリア当局は22日、中国からのコンテナからメタンフェタミンと、メタンフェタミンを精製できる薬品エフェドリン合計500キロを押収したことを発表した。

(翻訳編集・桜井信一)

 

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