中国臓器狩り新報告 共著者イーサン・ガットマン氏 独占インタビュー(1)

米連邦議会で6月22日、中国が国家ぐるみで収容者の臓器を収奪していることに関して調査を続けてきた専門家が、最新の報告書を発表した。それによると、中国の臓器移植件数は年間10万件以上で、これまで150万人が臓器の強制的な摘出で殺害されたと推計している。

報告書の著者は、人権弁護士デービッド・マタス氏、カナダ政府元高官デービッド・キルガー氏、ジャーナリストのイーサン・ガットマン氏。 この報告会は一週間後に欧州議会、その翌週には英国議会でも開催される。

米国では下院議会で13日、中国当局が国家ぐるみで行っている法輪功学習者に対する強制的な臓器摘出を非難する「343号決議案」が満場一致で通過し、臓器狩り問題の国際批判に拍車がかかった。

最新の報告発表のために米国を訪れたイーサン・ガットマン氏に、大紀元英語版の記者が、報告について質問した。


大紀元:6月22日に発表された新しい報告書についてお話を聞かせてください。

イーサン:中国臓器狩り/殺処分:最新情報(Bloody Harvest/The Slaughter: An Update)というシンプルなタイトルです。これまで出版された書籍を書き直そうというものではありません。デービッド・キルガーとデービッド・マタスは数年にわたる調査の末、中国臓器狩り(原題:Bloody Harvest)を発表しました。私は殺処分(仮題)(原題:The Slaughter)出版までに7年を費やしました。今回の報告書は、最新の調査結果をまとめたものです。

 中国の臓器移植件数、年間10万件以上とも

中国の臓器移植手術の件数は、北京の公式発表の数よりはるかに多いとの情報があります。中国では年間約1万件の臓器移植が行われているとされています。しかし、軍病院、民間病院、移植センター、大中小の二次的な移植センターの状況から算出したところ、少なくとも年間6万件に達します。約10万件が妥当な数だとみています。

中国は死刑囚からの臓器摘出をやめたと宣言しています。また、文化的な背景から、中国では自発的な臓器提供制度はごく最近まで受け入れられていませんでした。自発的な提供は通常、腎移植の分野で、親戚間で行われます。

 信じられないほどの早さで病院増設

中国では、信じられない早さで病院の建築が進められていることに、私たちは気づきました。臓器移植用に巨大な病棟が増築されています。 これまで移植事業が存在しなかった都市や省にも現れました。

病院の建設や増築は、単なる利潤追求とみられる傾向にありますが、実際は違います。中央からの政策要素が全域に見受けられます。臓器移植が中国経済の柱であることは公には宣言されていませんが、中国共産党の最高レベルではこのように考えていることは明瞭です。

大紀元:この調査は何に基づき、どのような証拠が裏付けとなっているのでしょうか。

イーサン: 中国は臓器狩りのことを公に語りません。中国共産党にとってもっとも危険な問題の一つであり、タブーです。毎週、発行される内部刊行物がもっとも重要な情報源となりました。 中国で医療職従事者向けの雑誌ですが、臓器狩りや移植数の手がかりが得られます。欧米社会に伝えられてしまうためインターネットでは公開されない情報です。博士論文、論文の提案、病院内部のニュースレター、出所の不明なウェブサイトなどからも情報を得ました。

この情報を世に伝える必要がありました。病院からの山のような資料にあたり、病院での移植数を集計し、より大きな数値が算出されました。一つ一つ証拠を積み重ねていき、最終的に山を築き上げたような感覚です。

イーサン・ガットマン氏を手にもつ著書『殺処分(仮題)』(原題:The Slaughter)。原本は2014年8月12日に

米カリフォルニア州サンフランシスコで出版された(Steve Ispas/Epoch Times)

 

実にパワフルです。一度、山を築いたら、岩棚が落ちたり、地すべりが起きたとしても、高い山がある事実は変わりません。 移植の認可を得ている病院でも得ていない病院でも、移植手術が実際に行われたとの証拠を握っています。その数はあまりにも膨大で、中国の医療界には大きな打撃となるでしょう。

大紀元: 臓器提供源は誰なのか(つまり法輪功の学習者など)どうやって特定したのですか。

イーサン:ドナーに関しての結論は出しません。結論の出ていない問題です。臓器提供源の可能性として、実際の死刑囚の数が多かったという説も、否定しません。これまで年間1万件と思われていた移植数が最低でもその6倍の6万件であるという結論です。10万件以上の可能性もあります。中国の医療規制に従って算出しても、9万件近くにのぼります。

死刑囚の数では、これほどまで至りません。他に考えられる臓器提供源は「良心の囚人」です。そのうち、大半が法輪功の学習者と推定します。地下協会、ウイグル、チベット、その他の確証できないグループもあるでしょう。

今回の報告は、これまでの調査書『中国臓器狩り』と『殺処分』にさらに積み上げたものです。「中国では良心の囚人から臓器を摘出している」という事実を裏付けるものです。(認知されていないのは)世界の人々が受け入れるのに少し時間がかかっているだけです。

大紀元:良心の囚人、主に法輪功の学習者が臓器のために殺害されているという主張を裏付ける鍵となる証拠は何ですか?

イーサン:私は強制労働所から出てきた難民へのインタビューを基にしています。臓器販売のための身体検査について法輪功、ウイグル、中国地下教会の難民から聞きました。チベット人も受けています。他の囚人にはないため、彼らが臓器狩りの対象にされていると言えます。

 大陸の公然の秘密

実際は身体検査よりもっと明確でした。信頼のおける証言者の数人が、法輪功の学習者から臓器を摘出していることを知っていました。中国大陸の公然の秘密とされています。

(臓器摘出のため)選ばれた学習者は、毎年、強制労働所からバスで連れ去られます。証人の一人は、どこにバスが駐車するかまで教えてくれました。自分の独房棟の近くだったからです。臓器狩りは、長年にわたり行われていたのです。

続きはこちら:中国臓器狩り新報告 共著者イーサン・ガットマン氏 独占インタビュー(2)

(翻訳編集・阿部慶子)


英文元記事:China Human Rights Interview With Ethan Gutmann, Co-author of New China Organ Harvesting Report

 イーサン・ガットマン 調査作家、ジャーナリスト、コロンビア大学で文学と国際外交の博士を取得。米国で長い歴史と伝統のあるシンクタンク「ブルッキングス研究所」外交政策アナリストを務めた。シンクタンク「民主主義防衛財団(FDD)」元顧問。

  中国問題の研究家として知られ、2冊の本『新中国を失う(邦題)』『殺処分』(原題:The Slaughter)がある。これまで米国議会、外交問題員会、欧州議会、国連など議会に出席して、外交問題について提言してきた。PBS、CNN、BBC、CNBCなどテレビにも出演。ウォール・ストリート・ジャーナル・アジア、ワールド・アフェア・ジャーナルなど著名紙で自身の分析を示している。

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