向かって右から、『殺処分』(原題:The Slaughter)の著者イーサン・ガットマン氏、英国議会超党派人権委員会副主席ベネディクト・ロジャーズ氏、ミス・ワールドのカナダ代表アナスタシア・リンさん、映画「流血の刃(The Bleeding Edge)」の監督李雲翔氏、マークメディア(Mark Media)CEOジェーソン・ロフトゥス氏。(大紀元/Simon Gross)
アナスタシア・リン

ピーボディ賞監督の最新映画 英国議会で上映

9月6日の夕方、イギリス国会下院議長ジョン・バーコー氏(Rt Hon John Bercow MP)の招待により、現代中国の人権問題を取り上げた映画「流血の刃(The Bleeding Edge)」がイギリス国会議事堂内の大広間で上映された。

「流血の刃」ではミス・ワールドのカナダ代表で女優アナスタシア・リンさんが主役を演じ、映像界最高峰ピーボディ賞を受賞した李雲翔氏が監督を務めた。

事実をもとにしたストーリー

映画は、事実をもとにしたフィクション作品。一人の白人技術者が、中国でインターネットの監視と検閲を行う「金盾工程」に携わっていたが、突然、急性心不全を患い、まもなく心臓移植手術を受ける。あるきっかけにより、移植された心臓のドナーに疑問を持つ。臓器の出どころについて真相を知った彼は、自らの信仰により違法に逮捕された若い中国人の母親を救援することを決意する。

​ この上映会には、イギリス議会の上下両院各党の議員が出席し、超党派議会人権委員会主席及び副主席、カナダより来場したカナダメディア基金会主席、華人イギリス自民党党首杜淑真弁護士、イギリス華人労働党の創設者のひとり呉呂南博士等が出席した。

イギリス下院議長ジョン・バーコー氏は映画上映前にスピーチを行い、献身的に人権活動を行うアナスタシアさんを称賛した。「沈黙を保つほうがより簡単ですが、大きな犠牲を払って声を発することを選びました」「中国で現在苦痛に耐えながら生きている人々はきっとあなたに感謝するでしょう」。

 アナスタシア・リン「支援に勇気づけられた」

スピーチをするミス・ワールドのカナダ代表で

女優、人権活動家のアナスタシア・リンさん

(大纪元/Simon Gross)

アナスタシアさんは、招待した英国議会議長に謝意を示した。英国議員らとともに、映画で取り上げた中国問題を考察できたことに「私にとって大きな励ましであり、とてもうれしく思います」と述べた。

アナスタシアさんは十代の時に母親とともに中国からカナダに移民。人権活動が評価されミス・ワールド2015のカナダ代表に選出された。しかし中国の人権問題に言及したため、ファイナルが行われた中国海南島に入るビザが発給されず、出場できなかった。

この入国拒否により、中国の人権問題は深刻であることをかえってアピールすることとなった。

 監督・李雲翔氏 映画「流血の刃」は真実を力強く訴える

李雲翔監督は、イギリス下院議長の招待で英国議会の大広間で上映会を行うことは非常に光栄だと述べた。彼の映画「奴隷一筋十二年(原題:為奴十二年)」も以前にこの大広間で上映されている。同映画は第86回アカデミー賞にて3項目の受賞を得た。

映画は事実をもとにした作品であり、フィクションでは到底かなわない力を持っていると李監督は話す。そしてアナスタシアさんの傑出した演技力が加わり、映画は公開後大いに好評を得ているという。

映画は第51回「ガブリエル賞」最優秀映画賞を受賞し、アナスタシア・リンさんもカナダのレオアワード最優秀女優に表彰された。「最も重要なのは、臓器狩りの事実をより多くの人々に知ってもらうことだ」と李監督は強調した。

 イギリス国会議員 変革を求める声

イギリス国会議員ジム・シャノン氏は映画の上映後にスピーチを行い、出席者に「勇気ある行動」を促した。「私たちは中国の人権を改善しようとする人々を大いに支持しましょう。これは変革を求める声なのです」。

(翻訳・文亮)

関連記事
【大紀元日本6月10日】米国放送界の最高栄誉賞であるピーボディ賞の第74回授賞式が5月31日ニューヨークで開かれ、中国で弾圧対象の法輪功(中国伝統気功)愛好者を含む受刑者(収監者)に対する臓器収奪の調
世界3大美人コンテスト「2015ミス・ワールド」カナダ代表の女優アナスタシア・リンさんが、バンクーバーの映画賞「レオ賞」で主演女優賞を受賞した。出演作は、中国人権問題をあつかっているため、中国当局がアナスタシアさんのミス・ワールド大会出場を拒んだ一因ともいわれている。
7月19日、習近平国家主席は寧夏治自区銀川市の寺院で、宗教問題に対する見解を再度表明した。また時を同じくして、法輪功発祥の地である吉林省長春市で共産党中央政法委の会議が開かれ、冤罪や誤審判決の見直しが検討された。このことから、習近平政権の中国当局が宗教に対する弾圧政策を転換するのではとの憶測を呼んでいる。
 中国系アメリカ人の女性が米国人の夫ともに、中国国内で迫害される法輪功学習者の父親を渡米させようとしたが、税関職員が父親のパスポートを破棄したため、出国できなかった。中国滞在中は数十人の警官から監視、尾行が続き、行動を抑制されつづけていたという。 
東京都内で16日、日本ウイグル協会による「中国・核の脅威シンポジウム」が開催された。核実験による影響について、真実を伝えることで中国政府からウイグルの土地を追われることとなった医師、ジャーナリスト、科学者らそれぞれの専門分野から解説した。