リスボンの街並み ヨーロッパの首都らしからぬ素朴で親しみやすい雰囲気が漂う(田中美久 撮影)
女ひとりで世界一周放浪記 11

リスボンで見て感じた大航海時代の光と影

   最後に、リスボンでもう一つ想いを馳せていたのは、故郷日本のことでした。「発見のモニュメント」の広場で眺めた世界地図のモザイクにて、小さな島国に刻まれた「1541」という年号。同じように年号を刻まれた多くの国々が植民地支配を受け大きなダメージを受けた中で、日本は違いました。

 当時の日本にヨーロッパ列強がやってきた時、日本には当時圧倒的な軍事力がありました。また、世界情勢をしっかりと把握していたこと、地理的条件、賢明な政治的判断により、植民地支配の危機を回避することに成功したのです。さらにその後も外国の進んだ文化を取り入れつつ独自の文化を発展させてきました。日本が今日のように世界でも高い地位を築き上げてきたことについて、改めて凄い国だと感嘆せずにはいられません。

 旅をする中で日本の素晴らしさを身に染みて感じることもあれば、ネガティブな側面について考えることもあります。他国のことだけでなく自分の国のことについても客観的かつ多面的に見つめることができるようになるのもまた、旅の素晴らしいところです。「帰国するその日まで可能な限り多くのことについて見聞きし学び、考えることを続けよう」という思いをより一層強めたポルトガル滞在でした。

(田中 美久)