北朝鮮南部・開城を歩く民衆。参考写真(ED JONES/AFP/Getty Images)
北朝鮮

中国、30人超の脱北者を強制送還か 中朝利益チェーン

中国政府は、遼寧省瀋陽市からベトナムへ渡航を計画した30数人の脱北者を、強制送還する予定だという。脱北者の強制送還は、中国と北朝鮮当局による利益チェーンとも伝えられている。

米UPI通信によると、瀋陽にいた脱北者たちは11月25日、ベトナムへの渡航を計画していたところ、中国の公安に拘束された。消息筋によると、彼らはすでに中朝国境地帯の丹東に移送され、まもなく北朝鮮に送還される。

中国側が脱北者を送還する理由として、北朝鮮のわいろや利益供与がある。そのため中国公安部は中国国境に住む脱北者を中心に送還してきた。

「脱北者をお金のために通報しないで」元・脱北少女 中国で訴える

国際法の規定に従えば難民を保護する義務がある。これに相反して、中国は脱北者を違法移民として強制送還する措置を一貫している。

中国から強制送還された脱北者は非人道的な扱いを受ける。彼らは強制収容所に入れられ、餓えや拷問にさらされ、処刑される。伝えられるところによると、送還した中国共産党の役人の前で一人ずつ射殺されることもあるという。

(翻訳編集・文亮)

関連記事
過酷な脱北経験をもつ李炫秀(イ・ヒョンソ、Hyeonseo Lee)さんは、北京で開かれた講演会で、自分の脱北体験を明かし、さらに中国政府の脱北者に対する非人道的な対応を批判した。脱北について中国で公にスピーチされるのはめずらしい。また、中国人が懸賞金を得るために、中国へ渡った脱北者を政府へ通報していることも明かした。ニューヨーク・タイムスが1日に報じた。
9月初めの豪雨による洪水に見舞われた北朝鮮の北東部では、中国吉林省と隣接する国境の豆満江が決壊し、北朝鮮の2人の住民が洪水で国境を越え、中国に流された後、中国人民解放軍に救助された。この報道に対して中国国内インターネット上で、「直接脱北させて」、「韓国に送ろう」と、2人の北朝鮮住民を心配するコメントが集中した。
このたび、中朝国境の街・丹東に赴き、ひんぱんに北朝鮮の人々と接触すると自称する中国人ビジネスマンが、彼らの考え方をブログに明かした。厳しい情報封鎖と金政権のプロパガンダの強い社会で、中国や日本に対して、予想外な見方をしていることがわかった。
韓国軍合同参謀本部は29日、同日午前10時ごろ北朝鮮軍兵士一人が、南北朝鮮間の非武装中立地帯の中にある軍事境界線を越え韓国側に逃亡してきたと発表した。
軍や在外公館の高官など北朝鮮の特権階級の亡命が増えているなか、韓国主要紙「中央日報」が5日、9月末に同国駐北京代表部の高官2人が日本大使館に政治保護を求めたと報じた。そのうちの1人は保健省の元高官で、最高指導者である金正恩・朝鮮労働党党委員長一族の健康に関する機密情報をもっているとみられる。現時点において、日本政府による公式コメントはない。
 北朝鮮駐英国大使館の太永浩(テ・ヨンホ)公使が8月、妻子とともに亡命し韓国に入ったことに世界各国が注目した。イギリスメディアによると、太公使は金正恩政権から英国政府と軍の関係者に贈賄で核技術を盗み出すよう命令された後、プレッシャーを感じ亡命を決心したことを明らかにした。