東シナ海を航行する中国海軍空母「遼寧」の編隊。1月2日撮影(STR/AFP/Getty Images)
軍事

中国軍の遼寧、「空母としての能力は3割程度」=台湾メディア

台湾メディアによると、中国軍の空母遼寧」は昨年の東シナ海航行時、台湾軍に欠点を発見されていた。同空母は、艦載機であるステルス戦闘機「J-15(殲15)」に、夜間の離着陸をさせることができないという。多くの軍事専門家から、遼寧は致命的な欠点が多く、空母としての運用能力は低いと言われおり、同メディアも「空母としての能力は3割程度」と報じている。

台湾メディア「風傳媒(Storm.mg)」は3日、スクープ報道として、台湾空軍は花蓮基地から夜間、偵察機「F―16」を突然に飛行させ、台湾東部を航行していた「遼寧」の防衛能力をテストした。しかし、10数機も艦載されているはずの「殲15」は緊急発進しなかったという。

また伝えられるところによると、殲15は、東シナ海に15回以上発進したものの、夜間に発進することはなかった。

同メディアに答えた台湾軍関係者は、夜間飛行は操縦の難易度が高く、パイロットの技術も完璧といえるものでなければならない。夜間飛行しないのは、殲15はいまだに訓練段階であり、遼寧も、空母として離着陸を操る管制塔としての能力も十分ではないのではないかと分析する。

中国国営メディアによると、遼寧の艦隊は2016年12月下旬、東シナ海を航行。25日、沖縄本島と宮古島の間を通り、初めて西太平洋に進んだ。台湾東部を回って南シナ海へ出て、30日に海南島・三亜の基地に到着した。

米ペンタゴンも「遼寧は全面的に欠点がある」

中国軍空母「遼寧」の特徴はスキージャンプと呼ばれる滑り込み滑走路(STR/AFP/Getty Images)

2015年、米国国防省は遼寧の能力について言及している。それによると、全面的に欠点があり、長距離での活動は不可能だという。実際、遼寧の船体は小さく、米海軍は40年ほど前に就役した同軍空母「ニミッツ(Nimitz)」ほどの機能で、艦隊地域と近距離の海岸の防空を担える程度だとみている。

遼寧の最大の特色は、スキージャンプと呼ばれる滑り込み形式の滑走路を持つことだ。米国の空母のプラットフォーム形式と異なる。前者の形式は、殲15の爆弾や燃料の搭載量を制限させる。

軍事研究家・黄東氏によると、遼寧には致命的な欠陥が3つあるという。

1.船体の劣化。遼寧は、ウクライナから未完成船体を買い取り再工事したもの。しかし、起工からすでに28年経っている。7年の再工事を経て2012年、中国で就役したものの、いまだに未完成の能力と指摘されている。部品は劣化しており、寿命はあと30年と考えられる。

2.船体の亀裂・破裂の懸念がある。遼寧はロシアと中国で異なる材質の合成金属や鉄鋼が使われ、相性が良くない可能性がある。航行で何らかの衝撃を受けたときに、そのリスクは高まるという。

3.殲15などの艦載機の操縦能力が十分でない。パイロットの死亡も相次ぎ、戦力を形成するうえで大きな足かせとなっている。

(翻訳編集・佐渡 道世)

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