先人の智慧

600年前 北京の紫禁城にはすでに床暖房があった

真冬にはマイナス10度近くにもなる北京の冬。エアコンやストーブのない時代の人々は、どうやって寒さを凌いでいたのでしょうか?

世界遺産に登録された北京の紫禁城は、明と清の時代に建てられました。特殊な設計によって、皇帝や皇太后などの位の高い人たちの部屋は、冬でも暖かくなるように造られていました。

 

明の時代に描かれた紫禁城(Public Domain)

紫禁城の3つの主要な宮殿(太和殿、中和殿、保和殿)と養心殿、また一部の寝宮の壁は、空洞になっています。床の下には縦横に交錯する小さな地下通路が作られ、通路は宮殿の外にある「地爐(ディルー、炭を焼いて火を焚く場所)」に繋がっています。地爐の熱気が通路を通って各宮殿に行き渡り、部屋を暖めました。煙も灰も生じない優れた暖房設備は、床だけでなく壁も暖かくなるように設計されていました。

 

黄昏の太和殿(ウィキペディア)

地下通路に設けられた排煙口は、酸素の供給口の役割も果たします。今でも北京の故宮を訪れたら、一部の宮殿にこのような排煙口をみつけることができるでしょう。人々は、すぐれた暖房設備を利用して寒い冬を過ごしていたのです。

(翻訳編集・豊山)

関連記事
 【大紀元日本11月30日】万物は五行(五つの要素:金、木、水、火、土)から成り、物事には秩序がある― 一見、複雑に見える物体や現象はすべて「五行」で構成されており、互いに関連しあいながら、目に見えな
【大紀元日本1月10日】北京市の中心に位置する紫禁城は故宮とも呼ばれる。明朝と清朝の皇宮(紀元1368~1912年)であり、24人の皇帝がここに居住した。紫禁城は比類なき古代建築の傑作、世界で最も完全
テレビやネットの普及により、さまざまな情報が氾濫する時代。時に、正しい価値観とは一体何なのか、分からなくなることはありませんか?激動の歴史を経た中国の古代文献には、奥深い人生訓が満載。人生を切り拓くヒントが得られるかもしれません。
7月20日に観測史上最大雨量を記録した中国の北京市は、豪雨の影響で市街地の多くが冠水した。しかし、600年以上の歴史ある故宮(紫禁城)は水溜まりがあったものの、深刻な冠水はなかった。インターネット上には、北京市民から昔の建築の排水技術の高さに感心したコメントが多く寄せられた。