北京の北朝鮮大使館に掲げられた国旗。参考写真(FRED DUFOUR/AFP/Getty Images)
サイバー犯罪

北朝鮮、FRBから90億円の不正引き出し 中国共産党が共謀か

2016年2月、サイバー犯罪者がニューヨーク連邦準備銀行(FRB)のバングラデシュ中央銀行口座から不正送金を行い、被害総額は8100万ドル(90億円)に上った。この事件に関し、北朝鮮が首謀ではないかと米国政府関係者は考えている。一方で、中国問題に詳しいゴードン・G. チャン氏は、中国が北朝鮮の共謀者であることを指摘した。

「ウォールストリートジャーナル(WSJ)」の報道では、米国捜査当局が北朝鮮を首謀者と考える理由として、今回使われたコードが2014年にソニーが攻撃を受けたときのものと類似していることを挙げている。ソニーは2014年にサイバー攻撃を受けたが、中国国内の北朝鮮ハッカーの仕業だったという。

「ニューヨークタイムズ」の報道では、去年ポーランド銀行がハッキングされた事件はソニーが攻撃された事件と何らかの関係があるという。ソニー事件では、FBIは北朝鮮関係者が犯人だと断定している。ポーランド銀行をハッキングした犯人は、犯行グループは世界銀行やEU中央銀行を含む100以上の組織を狙っていたことをほのめかしている。

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9月初めの豪雨による洪水に見舞われた北朝鮮の北東部では、中国吉林省と隣接する国境の豆満江が決壊し、北朝鮮の2人の住民が洪水で国境を越え、中国に流された後、中国人民解放軍に救助された。この報道に対して中国国内インターネット上で、「直接脱北させて」、「韓国に送ろう」と、2人の北朝鮮住民を心配するコメントが集中した。
このたび、中朝国境の街・丹東に赴き、ひんぱんに北朝鮮の人々と接触すると自称する中国人ビジネスマンが、彼らの考え方をブログに明かした。厳しい情報封鎖と金政権のプロパガンダの強い社会で、中国や日本に対して、予想外な見方をしていることがわかった。
中国企業、遼寧鴻祥実業発展有限公司(以下は鴻祥)の馬暁紅会長は、北朝鮮に核兵器とミサイル開発に必要な資材や物品を密輸した容疑で、9月初め、中国当局に逮捕されていた。馬氏は当局の取り調べに対して、遼寧省丹東市の一部の官員が密輸に関与していたと供述した。9月21日韓国の「ディリーNK」が報じた。
9月中旬、中国遼寧省丹東市の遼寧鴻祥実業発展有限公司(以下鴻祥)が北朝鮮に核とミサイル開発物資を密輸した容疑で、中国当局による同社会長の逮捕に続き、遼寧省当局は24日、同市共産党委員会(以下は党委)書記の人事調整を発表した。市トップによる密輸関与の可能性と、責任を問われての更迭とみられる。