英メイ首相は、現地時間22日夜に発生した自爆テロで、犠牲者に手紙を書く。今回の事件で22人が死亡、数十人が負傷した。2005年のロンドン爆破事件以来、最悪の犠牲者を出したテロ事件となった(Photo by Ben Birchall/Pool - Getty Images)

テロ警戒レベル最高に、「新たなテロも」=英メイ首相

イギリス中部マンチェスターで22人が死亡した自爆テロを受けて、メイ首相は現地時間23日夜、テロ行為の警戒水準を当面最高レベルにすると発表した。今回警戒水準を最高レベルに引き上げたのは、2006年8月10日、07年6月30日に続いて3回目となった。

英政府は、現在5段階にあるテロ警戒水準のうち、2番目に高い「深刻(Severe)」から1番目の「危機的(Critical)」に引き上げた。

メイ首相は同日の記者会見で、「テロ攻撃の可能性が引き続き高い」と述べ、新たな攻撃が起きる可能性があると示した。また、今後主要施設やコンサートなどのイベントに軍の兵士を配備し警戒に当たらせることを明らかにした。

22日夜、米歌手アリアナ・グランデさんのコンサート会場だったマンチェスター・アリーナで公演終了後起きたテロ攻撃で、22人死亡し59人が負傷した。英警察当局は、自爆テロを起こした実行犯は22歳の男だと発表した。

いっぽう、過激派組織「イスラム国(IS)」は犯行声明を出し、戦闘員による犯行だと主張した。

 6月の選挙にも影響

今回の自爆テロを受けて、6月8日予定の下院総選挙の集会や選挙活動が自粛されている。日本の外務省は「このテロ事件との関係は不明だが、ナイトクラブや映画館などの閉鎖になる場所や、いっぽうで野外での大規模行事や政治集会等でのテロが、ネット上で呼びかけられている」と警告し、「総選挙関連の集会等の野外でのテロの発生が懸念される」と伝え、在英邦人に警戒を呼び掛けた。

(編集・福田 春代)

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