ジカウイルス感染3例、インド渡航に注意。2016年、インドのムンバイで、蚊の増殖を防ぐため街を消毒する委託業者 (INDRANIL MUKHERJEE/AFP/Getty Images)
WHOが警告

ジカウイルス感染3例 妊娠中の女性はインド渡航を控えて

インド保健家族福祉省は、5月15日、同国グジャラート州アーメダバード市で、3例のジカウイルス感染症例が報告されたと発表した。これを受け、世界保健機関(WHO)は、妊娠中の女性に対して同国への渡航を控えるよう呼びかけている。

ジカウイルス感染症は、妊娠中の方が感染すると胎児に小頭症等の先天性障害を引き起こす可能性がある。

感染経路は、ジカウイルスを持った蚊に刺されること。また感染した人を刺した蚊が、他の人を刺すと感染する可能性がある。また、母胎から胎児への感染(母子感染)、輸血や性交渉による感染リスクも指摘されている。

WHOの警戒情報をうけて、外務省は、特に妊娠中または妊娠予定の人へ、可能な限りジカウィルス発生地域への渡航を避けるよう呼び掛けている。

いまのところ、ジカウイルス感染症には有効なワクチンはなく、蚊に刺されないようにすることが最善の予防方法となる。屋外では長袖・長ズボンを着用する、忌避剤を適宜に使用する、蚊の増殖をふせぐために水溜まりを屋外で作らないことなど。

ジカウイルスに感染してから発症するまでの期間(潜伏期間)は2~12日であり、主に2~7日で、およそ2割の人に発症すると言われている。発症すると軽度の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、斑丘疹、疲労感、倦怠感などがあるが、一般的にデング熱やチクングニア熱より軽症と言われている。

政府は、発生地域に渡航して発熱の症状など感染の疑いがある場合、帰国便の空港の検疫所に相談するよう通知している。

(編集・甲斐 天海)

関連記事
5月27日、世界保健機関(WHO)は年次世界保健総会(WHA)を開催する。アントニー・ブリンケン米国務長官は5月1日(水)、台湾にオブザーバーとして会議に参加するよう強く求めた。
4月23日、チェコ下院議会で法輪功迫害に関する公聴会が開かれた。プラツニク保健副外相は「法輪功学習者に対する臓器収奪は我が国だけでなく、世界中の議会で非難されている。到底容認できない行為だ」と強く述べた。
中国共産党(中共)がロシアに供給する半導体などのハイテク製品のサプライチェーンにおいて、香港が重要なリンクになっていることを示す証拠は大量にある。2022年2月24日、ロシアがウクライナへの本格的な軍事侵攻を開始して以来、香港で「ロシア」を社名に含む新規登録企業が急増した。
4月29日、テキサス大学オースティン校にテントを張っていた親パレスチナ派デモ参加者を、警察当局が逮捕し始めた。
米国とフィリピンが、南シナ海で初めて肩を並べて行った共同軍事演習の最中、4月30日に中共の海警船が、同海域でフィリピンの船舶に再度危険な干渉を行(おこな)った。中共は以前から、南シナ海でフィリピンの船舶に対して干渉を繰り返し、国際社会から批判を受けている。