土地収用

取り壊された自宅の上で宿題をする子供=警官撮影

両親の帰りを待ちつつ、がれきの上で宿題をする子供。中国の強制取り壊し現場にいた警官がとった写真が、波紋を広げている。

警察署副署長は次のように書いた。

強制収用「それでも人間か?」女性や子供を問わず 

中国当局の住民集団暴力

「住宅地で取り壊しがあったから、秩序維持のため出動命令を受けた。現場では取り壊された家屋のがれきが散乱していた。そこへ下校してきた小学生の男の子がやって来て、原型をとどめない自宅を見てぼう然と立っていた。廃墟をじっと眺め、離れることもできない。少年は宿題を思い出し、コンクリート片の上で宿題をしながら、お父さんとお母さんの帰りをじっと待っていた。目が潤んだ。どうしてこのような非道なことをしなければならないのか。署に戻ったら、退職届を書こう」。

強制取り壊しは2000年以降、中国共産党官僚の主導のもと盛んに行われた。共産党幹部は囲い込んだ土地を建設会社に売ることで暴利をむさぼった。従わない世帯に対しては、警察や機動隊、地方の治安要員、時には暴力団をも投入して土地を強制的に取り上げ、その過程で数々の悲劇を生み出した。

取り壊し隊に殴り殺される者もいれば、希望を失って自殺する者、抵抗する者、更には自暴自棄になり一家心中する者など、後が絶えない。

このような状況が中国で頻発するのは偶然なのだろうか。共産党が統治する国家で同じような悲劇が繰り返されるのは偶然だろうか。

(翻訳編集・文亮)

関連記事
中国で最も背の高い人物をご存知だろうか。バスケットボールの姚明(ヤオミン)選手や障害走の劉翔(リュウシャン)選手を思い浮かべるかもしれないが、本当の「巨人」は内モンゴルに暮らす鮑喜順さんだ。2メートル36センチの彼と比べれば、他の村人はまるで小人のよう。様々な分野で活躍できそうな彼だが、高身長ゆえの意外な悩みを抱えていた。
情報検閲の厳しい中国ネットユーザは小話を作るのが上手い。このたび、中国の得意なビジネスに「土地・資源・労働力を売る」と指摘した。ここには、バブルを生みだす当局の土地政策や、G20などで問題視された過剰な中国鉄鋼輸出量、そして現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」では、海外で計画性が疑問視されるインフラ事業に、中国人労働者は次々と派遣され、現地の雇用ほか経済効果が薄いとする問題などを揶揄している。
今年6月、フランス共産党総書記ピエール・ローレン氏は、年内に国の共産党は消滅すると自ら「解体」宣言した。ソ連解体で急激に求心力を失い、衰退する世界の共産主義政権国。残されているのは、中国と北朝鮮だけとなった。この2国は、最近の共産主義崩壊の歴史を、どうみているのだろうか。
大紀元編集部は、独自に中国国内外のネットの短文投稿サイトなどで、中国人による中国についての風刺ストーリー「中国ネット小話」をまとめている。今回は第6弾。心と環境を投影するネット小話を通じて、独裁体制のなかを生きているがゆえに形成された、今日の中国人の考え方について、知る材料になる。