流行犯罪
ねずみ講が横行する中国、就職難の若者がターゲット
中国国内では現在、「傳銷」(無限連鎖講、ねずみ講)犯罪が蔓延している。ターゲットにされているのは、若者たちだ。この犯罪一つで、大学生の就職難、地方政府とねずみ講の癒着、騙すことに悪びれなくなるといった犯罪性を呼ぶ拝金主義など、さまざまな今の中国の社会問題が露呈する。
犯罪グループであるねずみ講組織は、ターゲットが組織の管理下から逃げ出さないよう、身分証明や銀行のキャッシュカード、携帯電話を没収する。実体のない商品を買わせ、新規会員の勧誘をさせて、詐欺を強要する。抵抗すれば、監禁や暴行などの虐待行為を繰り返すという。
大学生などの若者がターゲットに狙われている。背景には、就職難や激しい貧富の格差などが挙げられる。また、犯罪グループと地方政府との癒着もあると考えれている。
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