恩返し

助けられた青い鳥 ガン患者を励ます

情けは人のためならず―思いがけない形で、恩恵が自分の身に返ってくることがあります。

2年前、ディーナ・テイセンさん(Dina Theissen)とその家族は、生後数時間とみられるアオカケス(別称ブルー・ジェイ)のヒナを見つけました。母鳥が現れなかったため、ディーナさんたちは、この小さな鳥をグレイシー(Gracie)と名付け、育てることにしました。

Twitter | GraciesWildAdventure

ある日、立派な成鳥に育ったグレイシーを手放す時がやってきました。すでに餌の取り方も教えてあるので、野生に戻っても大丈夫と判断したのです。しかし、グレイシーは家族から離れたがらず、近くの低い木に止まったかと思うと、また戻ってきてしまいました。

グレイシーはもう一週間ほど家族と過ごした後、巣立っていきました。もうグレイシーとは二度と会えないと思っていたディーナさんたち。ところが翌日、グレイシーはまた家族のもとを訪ねてきたのです。

しばらくして、毎日訪れるグレイシーと家族の絆がより深まることが起こりました。ディーナさんが卵巣がんと診断され、長い闘病生活を送ることになったのです。それは、夫のケンさんや娘のアリッサちゃんにとっても辛いことでした。不安な毎日を過ごす家族に、ひとときの安らぎと喜びを与えたのは、グレイシーの存在でした。

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「あの時、グレイシーがいなかったら、私の状態はもっと違っていたと思います。娘や夫にとっても、(グレイシーは)大きな励ましになりました」と話すディーナさん。

家族が救ったヒナは、幸運の青い鳥となって舞い戻り、かけがいのない友人となりました。現在、ディーナさんのガンは小康状態を保っています。グレイシーは引き続き家族の元を訪れ、ディーナさんを励ましているそうです。

(郭丹丹)

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