周小川人民銀総裁 中国経済の「ミンスキー・モーメント」を警告
中国人民銀行(中央銀行)の周小川総裁は19日、中国経済について、過剰な楽観主義によって株や不動産などの資産価格が急落する恐れがあると警告した。今期限りで退任するとみられる周総裁は、「ミンスキー・モーメント」という異例な文言で中国金融危機発生への懸念を示した。
英紙・フィナンシャルタイムズなど複数の海外メディアによると、周総裁は19日、開催中の党大会に合わせて行われたイベントで発言した。周総裁は「経済の中の正循環的な (Pro-cyclical Factors)要因が多ければ、後に循環的な調整が現れる」「すべてが問題なく進んでいるとき、過剰に楽観的になることで(資金の)ひっ迫が増すため、急激な調整につながる『ミンスキー・モーメント』に直面する可能性がある。われわれはこれを防ぐ必要がある」と述べた。
「ミンスキー・モーメント」とは経済に隠れているリスクが急に現れることによって、資産価格が急落し、大規模な債務不履行が起きる瞬間をさす。米経済学者のハイマン・ミンスキー氏にちなんで命名された。ミンスキー氏は、景気拡大で投資家や企業の過剰な楽観的心理から過剰に融資を受け、投資・投機活動を行うことによって、金融市場に不安定要因が増加すると説く。
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