先史文明の荘厳な仕掛け

世界遺産ニューグレンジ 冬至の不思議な光景

アイルランドは、ミース県のニューグレンジで見られる、世界最古とされる冬至現象の再発見50周年を祝う。首都ダブリンからおよそ50キロメートルの距離にあるニューグレンジは、ボイン渓谷周辺に位置するブルー・ナ・ボーニャの新石器時代遺跡群の中でも、最大の羨道墳だ。

ちょうど50年前にあたる1967年12月21日、ニューグレンジ羨道墳内部の玄室に立っていたアイルランド人考古学者マイケル・J・オケリー博士は、入口上部にある開口部から差し込む冬の太陽の淡い一筋の光が通路を少しずつ進み、やがて玄室全体を神秘的な黄金の輝きで満たす瞬間を目撃した。それが、5000年の時を経て、初めて目撃された冬至の現象だった。

ニューグレンジ内部に太陽の光が差し込む(アイルランド大使館)

太陽の高度があがるにつれ、光線の先端が19メートルの羨道墳の床をゆっくりと奥へと差し込んでいき、 やがて玄室で広がって部屋全体を劇的に照らし出すと、室内にある古代の石の彫刻が浮かび上がる。この現象は朝の9時ごろに始まって、17分間続く。ブルー・ナ・ボーニャの数々の羨道墳は豊富な岩絵で知られ、欧州最大の巨石芸術の集積地になっている。

ニューグレンジ内部(アイルランド大使館)

ニューグレンジの時を示す仕掛けの正確さは、これがエジプトの大ピラミッドよりも500年早く、またイングランドのストーンヘンジより1000年以上早く作られたことを考えると、じつに驚くべきものだ。これを作り出した人々は、新年の幕開けを告げようとしたことはまちがいない。さらに、死に対する生の勝利を示す力強いシンボルの役割も果たしてきたことだろう。

今年、ニューグレンジで見られる冬至現象の再発見から50周年を記念して、アイルランド政府観光庁が公式YouTubeチャンネルで、12月20日・21日の各日、現地時間(GMT)8:30~9:15(日本時間17:30~18:15)に現地からのライブストリーミングが配信される。何千年も前からニューグレンジの人々が目にしてきた光景を目にしてみてはいかがだろうか。

ニューグレンジは、アイルランド政府観光庁が「アイルランドいにしえの東部(Ireland’s Ancient East)」として振興している地域の中心となる遺跡で、ユネスコ世界遺産に登録されている。この地域には5,000年前の豊かな歴史が息づき、ひとつひとつの石塚に物語があり、城郭のひとつひとつの小塔にも伝説があり、ひとつひとつの丘に英雄の冒険譚が隠されているかもしれない。

(出典 アイルランド大使館)

関連記事
日本の著名な漫画家・鳥山明氏が3月1日、急性硬膜下血腫のため68歳で死去しました。鳥山氏の代表作『ドラゴンボール』(台湾でのタイトルは『七龍珠』)は累計発行部数が2億部を超え、また同名のアニメシリーズは80か国以上で放送され、世界中に多くのファンを持っています。
『目は魂の窓』というように、目は心と身体の状態を表します。米国ペニシルベニア大学・ペレルマン医学部(Perelman School of Medicine at the University of Pennsylvania)の眼科医ハーマン(Deborah Herrmann)医師によれば、目と体の中枢神経は連結しており、目に違和感がある時は、身体に重大な病気が潜んでいる可能性があるといいます。
株式会社レビューが運営する暮らしに役立つ情報メディア「さぶろぐ」は、日本全国の20代以上の方を対象に「車検のどんな内容の口コミを参考にするか」についてのアンケート調査を実施しました。その結果を公表します。
移民を受け入れるか否か、日本をはじめ多くの国々がこの問題に挑んでいます。長く移民問題に向き合うことを避けてきたために、さまざまな社会問題が発生している国もあれば、積極的に移民を受け入れ、建設的に問題を解決してきた国もあります。
地球は神々の思い出から造られた、あこがれの星です。それが驚きに満ちた不思議な家であったとしても、悲惨と希望と無関心を混載して銀河の中を、ドラマティックに天走しています。軋むような明るい哀しみの音を奏でて、宇宙のトワイライトを演出するのが、地球の美しい役割なのだといいます。