英EU離脱でエネルギー価格上昇や供給不足のリスク=上院委員会

[ロンドン 29日 ロイター] – 英上院(貴族院)の超党派委員会は29日、欧州連合(EU)離脱が適切に行われない場合、英国はエネルギーの価格上昇や供給不足に陥る可能性があるとする報告書を公表した。

英国は送電網を通じ、フランスやオランダ、アイルランドから電力の約5─6%を輸入。ガスの供給は約40%をノルウェーや欧州のパイプラインを介して受けている。

報告書は、EU離脱後に英国が欧州域内エネルギー市場の外で行うエネルギー取引は現在よりも効率的でなくなる可能性が高いと指摘。「このことはエネルギー料金が上昇するリスクをはらんでいるほか、EU離脱によって、英国は過酷な天候や予想外の発電停止などでエネルギーの供給不足に陥るリスクにさらされる可能性がある」とした。

報告書はまた、英政府は欧州域内エネルギー市場からの離脱が及ぼす影響を完全に評価するとともに、深刻な供給不足への対処計画を策定する必要があると指摘した。

EU域内のガス供給は、加盟国が深刻な危機に陥った際に加盟国間で連携し、供給を維持する取り決めの下に運営されている。2019年3月にEUを離脱した後の英国がこの取り決めにどう関わるかについては不明だ。

報告書はさらに英政府に対し、EU離脱手続きの移行期間とは別に、欧州原子力共同体(EURATOM)からの離脱について特別な移行期間を設ける可能性を検討するよう提案した。

専門家は先に、英国がEU離脱に伴いEURATOMからも脱退すれば、新たな原子力計画に遅れが出るほか、研究や国際協力の合意が複雑化する恐れがあると指摘している。

英国で原発による電力供給は全体の約20%を占める。

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