米ロ首脳会談、7月16日にヘルシンキで開催 初の正式会談

[ワシントン/モスクワ 28日 ロイター] – 米・ロシア政府は28日、トランプ、プーチン両大統領が7月16日、フィンランドの首都ヘルシンキで会談すると発表した。

両首脳はこれまでに国際会議の合間に2回顔合わせし、8回にわたり電話会談を行っているものの、正式な会談は今回が初めて。

米ホワイトハウスは声明で「両首脳は米ロ関係および多岐にわたる国家安全保障問題について協議する」と明らかにした。ロシア政府も同様の声明を出した。

トランプ大統領は7月11─12日に開かれる北大西洋条約機構(NATO)首脳会議(サミット)に出席し、英国を訪問後、プーチン大統領との会談に臨む見通し。

英国などの米同盟国がプーチン大統領の孤立化を望む一方、ウクライナをはじめとする国々は、トランプ大統領のプーチン氏に対する過度に友好的な態度に警戒をあらわにしている。これら諸国が米ロ首脳会談の開催に不快感を示す可能性がある。

さらに、トランプ大統領のNATOへの関与およびドイツやカナダといった古くからの同盟国との貿易摩擦を不安視する声もあるため、米ロ首脳会談が不安感を助長する公算も大きい。

両国関係はオバマ前米政権の時代に、ロシアによるウクライナ南部クリミア半島編入を巡る対ロシア制裁の発動などを背景に、冷戦終結以降で最も緊張が高まった。また、米情報機関はロシアが2016年米大統領選に介入したと分析。ロシアは疑惑を否定している。

トランプ大統領は3月、ロシア大統領選で再選を決めたプーチン大統領に祝辞を送ったが、その後、シリア内戦や英国で起きたロシアの元スパイ暗殺未遂事件へのロシア政府の関与などを巡り、既に悪化していた米ロ関係はさらに冷え込んだ。

ロシアのネベンジャ国連大使は、首脳会談の開催により、両国の対話が再開することをロシアは望んでいると説明。「われわれは互いを必要としている」としたうえで、米ロ首脳会談では主に両国関係が議題となる見込みだが、シリア内戦や2015年のイラン核合意、ウクライナ危機は「避けて通ることはできない」問題だと強調した。

ボルトン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は27日、訪問先のモスクワで記者団に、ロシアによる米政治への介入が取り上げられる見通しだと述べた。

首脳会談を巡る発表に先立ち、トランプ氏は「米大統領選干渉問題には無関係とロシアは引き続き主張している!」とツイッターに投稿した。

ストルテンベルグNATO事務総長は米ロ首脳会談について、ロシアとの対話を推進するNATOの方針に沿ったもので、懸念すべきことはないとの認識を示した。

ヘルシンキは冷戦時代の米国とソ連の首脳会談や、1990年のブッシュ(父)米大統領とソ連のゴルバチョフ共産党書記長の会談、97年のロシアのエリツィン大統領とクリントン米大統領(いずれも当時)の会談の開催地だった場所。

*内容を更新しました。

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