米国、英国など同盟国に国防支出の拡大要請 NATO首脳会議控え

[ブリュッセル 3日 ロイター] – 米政権は北大西洋条約機構(NATO)首脳会議を前に、加盟国に国防支出の拡大を求める書簡を送った。軍事面で主要な同盟関係にある英国にも目標を上回る拡大を要請した。

ロイターが入手した6月12日付の書簡によると、マティス米国防長官は、ウィリアムソン英国防相に対し、英国はNATO加盟国の中で、国防費を対国内総生産(GDP)比2%とする目標を達成している数少ない国だとした上で、それだけでは十分ではないと指摘。グローバルな役割を担う英国には「域内の利益だけに関与する加盟国以上の国防支出が求められる」との見解を示した。

国防費について英国に「資金源を確保した明確で詳細な計画」を示すよう要請し、来週ブリュッセルで行われるNATO首脳会議での報告に期待を寄せた。

書簡は、NATO首脳会議を前に加盟国に大幅な軍事費拡大を求めるトランプ米大統領の姿勢を浮き彫りにしている。

マティス長官は「英国が米国のパートナーであり続けることが両国にとって最善の利益だ」とした上で、フランスが支出を拡大することに言及。「グローバルな役割を担う国として、フランスと米国は今こそが国防分野への投資を大幅に拡大するときだとの結論に至った」と述べた。

ロイターが確認したところによると、書簡はベルギーとノルウェーにも送られ、両国はGDP比2%の目標に沿った国防費の支出を求めれらた。

米ニューヨーク・タイムズ(NYT)紙によると、ドイツとカナダも同様の書簡を受け取った。

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