天井のない監獄
新疆、カザフ族2500人収容中 再教育施設元職員が法廷で暴露
「あの施設のことを法廷で証言した私は、中国の国家機密を漏らしたことになります」。最近、カザフスタンの裁判に出廷したカザフ系中国人女性は、新疆ウイグル自治区の「再教育施設」の存在について証言した。同所で一時働いていたこの女性は、2500人ほどのカザフ族の人が施設に収容されていると暴露した。
人権団体などによると、中国最西部・新疆ウイグル自治区に、共産党当局がウイグル族の住民を中心に、信仰とウイグル文化の放棄、党に従うことを強いる「思想再教育施設」が複数あるといわれている。共産党政権は、これら機密扱いである施設の存在を否定している。
独メディア、ドイチェ・ヴェレ7月18日付によると、中国国籍のカザフ族人、サイラグル・サイベイさんが4月、夫と2人の子どもとともに、カザフスタンに入国した際、偽造文書で不法入国した罪に問われた。夫と子どもらがカザフスタン国籍のため、現地の公安当局が5月21日に彼女を逮捕した。
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中国当局は新疆ウイグル自治区で住民からDNAなど生体データを採集している。国際NGO人権組織の「ヒューマン・ライツ・ウォッチ(Human Rights Watch)」は13日、このような大規模な強制収集が国際人権規約を踏みにじるものだと批判した。
中国北西部新疆ウイグル自治区の一般家庭では近年、政府から派遣された政府幹部による定期的な「ホームステイ」の受け入れが強いられている。国際人権組織ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)が5月13日に報告した。
「天井のない監獄」とさえ揶揄される中国西部・新疆ウイグル自治区。中国共産党政権により、現地住民は厳しく監視され、行動を抑制されている。海外のウイグル組織は、150~200万人ほどが労働教養施設にいると推計し、非人道的な扱いを受けているといわれている。