米大統領、メキシコ国境の壁予算巡り政府機関閉鎖も辞さず

[ワシントン 29日 ロイター] – トランプ米大統領は29日、民主党がメキシコとの国境への壁建設予算を盛り込んだ移民法改正案を支持しない場合、連邦政府機関の閉鎖も辞さない考えを改めて示した。

大統領はツイッターに「民主党が壁建設を含めた国境警備(法案)に賛成票を投じない場合、私は政府機関の『閉鎖』も辞さない」と投稿。不法移民を捕らえてもいったん釈放するキャッチ・アンド・リリースやビザ抽選プログラムなどの制度は廃止すべきだとし、「最終的には功績に基づく移民受け入れ制度に移行すべきだ。米国には優れた人々に来てもらう必要がある」と主張した。

大統領のツイートからは、強硬姿勢を維持することが11月の中間選挙で共和党に有利に働くとのトランプ氏の意図がうかがえる。

一方で、実際に政府機関が閉鎖し、有権者が政府のサービス中断は共和党の責任だと非難した場合、大統領の狙いは裏目に出る可能性がある。

今月のロイター/イプソスの世論調査によると、移民問題を巡る民主党と共和党の有権者の考えは明確に分かれており、共和党有権者の81%が大統領の移民政策を支持、民主党有権者の84%が不支持と答えた。

トランプ大統領は昨年の就任以来、議会の歳出法案に国境の壁建設予算を盛り込むべく、政府機関の閉鎖も辞さない考えをたびたび示してきた。大統領は公約としてきた国境の壁建設の予算として250億ドルを要求している。

政府機関の閉鎖を回避するには、議会は9月30日までに新たな歳出法で合意する必要がある。

共和党は上下両院で過半数議席を握るものの、党内の穏健派と保守強硬派で意見が一致しないため、可決に向けた迅速な法案修正ができずにいる。

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