ロシア政府、米の新たな制裁は「違法」 報復措置策定に着手

[モスクワ 9日 ロイター] – ロシア政府は9日、米国が発動した新たな制裁は違法と非難し、報復措置の策定に着手した。

米政府は8日、3月に英国で起きた元ロシア情報機関員らの毒殺未遂事件について、ロシア政府が神経剤を使用したと断定し、同国に新たな制裁を発動すると発表した。

ロシア外務省はこれを受け、こうした措置を導入した米国と「同様の精神を持って」報復措置を策定するとの姿勢を示した。

ロシア大統領府のペスコフ報道官は、新たな制裁は「違法で国際法に則っていない」と指摘。「米国が下した決定は、まったく非友好的であり、両国首脳会談時の建設的な雰囲気とはとても関連付けられるものではない」と述べた。

さらに、米政府は、国際的な場で予測不可能な国になったと指摘。米国が何を仕掛けてもおかしくなく、「安定した」ロシアの金融システムはそれに対応する態勢を整えておくことが重要との見解を示した。

米国は制裁措置を2段階で導入。第1段階は国家安全保障に関連する物品の米国からの輸出を対象としたものだが、対象となる品目の大部分はこれまで制裁対象となっている。

第2段階は、ロシアが化学兵器使用の停止、現地査察の受け入れなどを確約しなかった場合に90日以内に導入される。外交関係の格下げや、ロシア・アエロフロート航空の米国路線の制限、輸出入の制限などが含まれる可能性があり、ロシア経済により深刻な影響が及ぶとみられている。

ただロシア財務省はこの日、米制裁による金融安定への脅威はないとの見方を表明。ロシア中央銀行もルーブル防衛に向け今のところ市場介入は行っていない。

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