メルケル独首相、難民の本国送還強化を表明 極右のデモ受け

[ドレスデン 16日 ロイター] – ドイツのメルケル首相は16日、受け入れを拒否した難民を巡る本国送還の迅速化に向け、取り組みを強化すると表明した。首相の難民政策を巡って数百人の極右活動家が首相辞任を求めるデモを行ったことを受けた。

反イスラム運動「ペギーダ(PEGIDA)」がデモ活動を組織。メルケル首相が自身率いるキリスト教民主同盟(CDU)の地方議員と面会するため東部ザクセン州のドレスデンに到着すると、デモ隊は「メルケルはやめろ」などと連呼した。

首相は地元議員との面会後に記者会見で「全ての問題が解決していない状況にあることを明確にしたい。特に本国送還は依然として大きな問題だ」と指摘。「連邦政府は必要書類の獲得支援を中心にさらなる責任を引き受ける」と述べた。

地元当局は難民がパスポートを所持していなかったり、諸外国が難民向けに暫定的な身分証明書類を発行するのに消極的だったりするために、受け入れを拒否した難民の本国送還に支障を生じることがあるとしている。

関連記事
中国当局が低価格商品を大量に輸出することが、過去20年以上にわたり世界の製造業に与えてきた影響の新たな波を形成 […]
スウェーデンの通信機器大手エリクソンは、中国の従業員240人を解雇した。同社はこれを中国事業再編の一環としている。同社最大の研究開発センターの一つに影響を及ぼすことになる。
ドイツの情報機関「連邦憲法擁護庁(BfV)」は4月24日、中国共産党による産業スパイに警戒し、甘く見たり過度に依存したりしないよう企業に警告した。ドイツ政府は企業に対し、中国に対するリスクの露出を減らすよう呼びかけているが、評論家らは多くの企業が長期的な戦略よりも短期的な利益を優先していると指摘している。
先週、ショルツ首相が中国訪問を行った直後の4月22日が、ドイツの検察当局3名の市民を逮捕した。
4月22日、アメリカとフィリピンは合同軍事演習「バリカタン(肩を並べる)24」を開始した。演習は、台湾海峡の近くで初めて行われ、中国の脅威に対する明確な対抗措置と位置づけられている。これまでにない大規模なものとなった。