ベネズエラ、通貨5桁切り下げるデノミ実施 市民は効果疑問視

[カラカス/バレンシア 20日 ロイター] – 南米ベネズエラは20日、通貨の単位を5桁切り下げるデノミネーション(デノミ)を実施した。急激な物価上昇を抑制し、経済を押し上げる狙いがあるとみられるが、効果は疑問視されている。

マドゥロ大統領は政令でこの日を国民休日とした。このため、市内は人通りが少なく、店も閉まっているという。

大統領は17日、独自の仮想通貨ペトロにペッグした通貨制度の導入を発表。さらに向こう数週間に最低賃金を3000%超引き上げ、法人税率を引き上げるほか、ガス価格を引き上げると明らかにしたが、エコノミストは危機に拍車をかけるだけだと指摘している。

通貨ボリバルは非公式市場でこの日、1ドル=96ボリバル程度で取引されている。これは前週から実質で30%近く切り下げられた水準。ただ休日で薄商いのため相場全体を反映していない可能性があるという。

市民は今回の措置の効果に懐疑的だ。

元エンジニアのホセ・モレノさん(71歳)は「今日は銀行がどこも閉まっていて、現金を引き出す機械が使えない。金も、水も、電気も、何もない」と嘆いた。

主要経済団体フェデカマラスは21日、マドゥロ大統領の経済計画は「即席」で混乱を招き、経済活動を「深刻なリスク」に陥れると批判した。

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