米国務長官の訪朝中止、南北連絡事務所の開設に影響=韓国大統領府

[ソウル 27日 ロイター] – 韓国は27日、ポンペオ米国務長官の訪朝中止が南北の連絡事務所開設に影響を及ぼしているとの見方を示した。

トランプ米大統領は24日、米国が目指す朝鮮半島の非核化に向けた進展が遅過ぎるとして、ポンペオ国務長官の訪朝計画を中止した。[nL3N1VF50F]

韓国大統領府の金宜謙報道官は24日、訪朝中止が連絡事務所開設に「なんら影響を及ぼさないとは言えない」と言及。「ポンペオ国務長官の訪朝とその後の南北首脳会談などを含む一連の円滑なスケジュールの中で連絡事務所開設を考えていた」とし、「新たな状況が生じた今、それに応じてもう一度改める必要がある」と述べた。

韓国は南北関係改善に向けた取り組みの一環として、北朝鮮との国境に連絡事務所を建設しているが、野党議員やアナリスト、国内メディアの中には、事務所建設に使われる資材の搬入が北朝鮮に対する国連や米国の制裁措置に違反する可能性があるとの懸念も出ている。

連絡事務所は今月にも開設される見込みだが、具体的な開設日時などに関し、金報道官は「韓国政府が独断で決断できるものではなく、北朝鮮と話し合わなければならない」と指摘。「私の理解では北朝鮮が今回の状況の変化をどのようにみているかについて公式な協議は行われていない」とした。

北朝鮮の朝鮮労働党機関紙「労働新聞」は、26日付の論評で、米国が北朝鮮に対して「裏表があり」、「犯罪をたくらんでいる」などとして非難した。ただポンペオ氏の訪問に関する言及はなかった。[nL3N1VH0FS]

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