北朝鮮の金委員長、トランプ氏との再会談望む 非核化加速へ=韓国大統領

[ソウル 21日 ロイター] – 平壌で北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長との会談を行った韓国の文在寅大統領は20日、金委員長が非核化の加速に向け近くトランプ米大統領との2回目の会談を行うことを望んでいることを明らかにした。ただ、年内に1950─53年の朝鮮戦争の終結を宣言することが主要な目標となるとの認識を示した。

文大統領は訪朝を終えソウルに戻った直後に行った記者会見で、金委員長との3日間にわたる会談で、北朝鮮の核問題を巡る米朝協議の再開に多くの時間を割いたとし、金委員長が米国が相応の対応をとれば関係国の専門家の監視の下で主要なミサイル関連施設と寧辺の核施設を「永久的に廃棄」する意思があると述べたことを明らかにした。

同大統領は、首脳会談後の共同声明には、金委員長の核プログラムの「検証可能で不可逆的な」廃棄に向けたコミットメントが盛り込まれていると指摘。「金委員長は迅速に非核化を完了させ、経済発展に注力したいとの意思を表明した」と述べた。

そのうえで、金委員長は豊渓里(プンゲリ)核実験場の査察も拒否しない姿勢を示したとし、「金委員長は、非核化プロセスを加速化させるため、近くトランプ大統領との2回目の会談を行うことを望んでいる」と述べた。

ポンペオ国務長官は前日、北朝鮮の非核化を2021年1月までに完了させることを目指し、「直ちに」北朝鮮側との協議に入る用意があると表明。北朝鮮の李容浩(リ・ヨンホ)外相と来週ニューヨーク市で会談を行うことを明らかにすると同時に、ビーガン北朝鮮担当特別代表とウィーンで「できるだけ早期に」会談を行うため、北朝鮮代表団を招待したとも明らかにした。

ポンペオ国務長官は19日声明を発表し、ニューヨークで開催中の国連総会にあわせた米朝外相会談を北朝鮮の李容浩(リ・ヨンホ)外相に要請したと明らかにした。また、ビーガン北朝鮮担当特別代表と北朝鮮のカウンターパートによる会談をウィーンで早期に開くことも提案した。

国務省のナウアート報道官は20日、こうした会談について質問された際に、米国は招待状を既に送ったとし「彼らが可能であればわれわれの方は準備はできている」と語った。

さらに、来週の韓国側との会談で南北首脳会談の公式声明を期待していると述べた。国連総会の合間に予定されている米韓首脳会談など、来週は米韓当局者会合が複数行われる。

ポンペオ国務長官が19日の声明で、北朝鮮が、米国と国際原子力機関(IAEA)の立ち会いのもと寧辺にある全施設を廃棄する計画を歓迎するとしたことについて質問されると、ナウアート氏は南北首脳会談では査察官に関して話し合われたと述べた。

「IAEAの査察官と米国の査察官が関与するということは共通の理解だ」とし「今回のように廃棄が必要な核の問題がある場合、IAEAの関与が見込まれる。これは通常通りのことで、各国との共通認識だ」と語った。

南北首脳会談の合意文書にこの件の詳細が盛り込まれていない点について質問されると「われわれは北朝鮮の政府と会話しており、それが相互理解だ。このことはまた、韓国と北朝鮮の相互理解でもある。ここ数日の私の理解では、この件は話し合われた問題のうちのひとつだ」と説明した。

韓国は年内に米国とともに朝鮮戦争の終結を宣言したい考え。

文大統領は、朝鮮戦争の終結宣言で韓国に駐留する米軍などに影響は出ないとし、金委員長もこの点では一致していると指摘。「終結宣言は新たな平和協議の開始につながる政治宣言となる」とし、「北朝鮮が非核化を完了した後、平和協定が締結され、米朝関係が正常化される」と述べた。

*内容を追加します。

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