米国務長官、対北朝鮮制裁厳守を主張 中ロは緩和提唱

[国連 27日 ロイター] – ポンペオ米国務長官は27日に開かれた国連安全保障理事会会合で、安保理理事国は対北朝鮮制裁実施に向け「手本を示す」必要があるとの考えを示した。

安保理では北朝鮮を巡り、中国とロシアが非核化に向けた「前向きな進展」が見られているとして制裁措置の緩和を提唱している。

安保理議長を務めるポンペオ長官はこうした中、「完全で検証可能な非核化が実現するまで、安保理制裁を徹底して実施し続ける必要がある」と主張、「安保理の理事国はこうした取り組みに向け手本を示す必要がある」との考えを示した。

中国の王毅外相は、安保理決議には北朝鮮が順守すれば制裁措置を調整するという条項が含まれていると指摘。「前向きな進展」が見られていることから「非核化の動きをさらに押し進めるために安保理はこの条項の発動を検討する必要がある」と述べた。

ロシアのラブロフ外相は「いかなる交渉も双方向的なものであり、北朝鮮が段階的な非武装化に向けてとっている措置に制裁緩和で対応する必要がある」との見解を示し、「制裁措置の強化は禁止されたミサイルや核プログラムへの資金遮断の域を超えるもので、北朝鮮の国民に対し極度の社会・経済的、人道的な困窮をもたらすものとなる」と警告した。

その上で、安保理は朝鮮半島で現在見られている前向きな動きを支持しているという明白なシグナルを発する必要があると指摘。「こうしたことは、安保理決議を採択することで実行が可能だ。ロシアには決議案を作成し、安保理に提出する用意がある」と述べた。

スウェーデンのバルストロム外相もこうした考えに同調し、「このところ見られている進展により、対話と協力を通した緊張緩和が可能であることが示された」とし、安保理はこうした動きを認識する必要があるとの考えを示した。

制裁措置の調整に関する中国の指摘について、サリバン米国務副長官は会合後、北朝鮮に対する国連安保理の制裁決議はいかなる例外措置も認めていないと強調した。

*内容を追加しました。

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