カナダ、米鉄鋼関税の早期解除に悲観的 独自の輸入制限発表

[オタワ 11日 ロイター] – カナダは米国がカナダからの鉄鋼・アルミ輸入に対する関税を早期に解除する可能性は低いとみている。関係筋2人が明らかにした。こうした中、カナダ政府は11日、鉄鋼輸入を制限する措置を発表した。

トランプ米政権は国家安全保障を理由にカナダとメキシコからの鉄鋼・アルミ輸入に対する関税を6月に発動した。3カ国は新たな貿易協定で合意したが、鉄鋼・アルミ関税は引き続き適用されている。

米政府はカナダを介して他国が米国への輸出を行う可能性があることを懸念している。

こうした懸念に対処するため、カナダ政府は11日、7つのカテゴリーの鉄鋼製品について新たなクオータ(輸入割当枠)と関税を導入すると発表。「貿易相手国からの輸入が歴史的な標準を上回った」場合、10月25日から25%の関税を適用するとした。

関係筋によると、カナダ政府は米国の鉄鋼・アルミ関税が早期に解除されることに悲観的という。

韓国は米国との間で3月に合意した自由貿易協定で、鉄鋼関税を免除される代わりに輸出を過去3年の平均の3割削減する条件を受け入れた。

関係筋の1人が明らかにしたところによると、米当局者はカナダ・メキシコとの貿易協議で、カナダからの鉄鋼・アルミ関税についても同様の枠組みを要求した。

カナダはこの要求を退け、カナダからの輸出に上限を設定する場合、今後の拡大余地を確保するため現行を上回る水準に設定しなければならないとの立場を明確にしたという。

別の関係筋2人も、アルミについて米国が求めた輸出制限はカナダのアルミ産業の投資急減につながるものだったとし、「あまりに受け入れがたい内容で、協議は始まるまでもなく終わった」と話した。

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