「暴徒」には屈しない=燃料増税抗議デモ受け仏大統領

[パリ 27日 ロイター] – フランスのマクロン大統領は27日、燃料価格が家計を圧迫していることに対する地方有権者の怒りに理解を示しながらも、「暴徒」に屈して政策を変更するつもりはないと述べた。

フランスではここ1週間余り、政府の燃料税増税に反対する抗議デモが各地で行われており、「黄色いベスト」を着用したデモの参加者が道路を封鎖したり、一部のガソリンスタンドやショッピングセンター、工場などへのアクセスを妨げたりしている。

大統領は、1時間にわたってクリーンエネルギーへの転換計画について演説し、「われわれは方針を変えるべきでない。なぜなら、政策の方向性は正しく、必要なものだからだ」と訴えた。

その一方で地方有権者の怒りをなだめようと大統領は共感や謙虚な態度も示し、地方の労働者が取り残され、都市部のエリートへの不満をますます募らせる「フランスの二極化」を避けるため、もっと賢明な政策決定が必要と指摘。ただ、危機は、寛大な福祉国家であることを享受する半面、税金でそれを賄うことには消極的という「矛盾」を映し出していると述べ、減税と保育所・学校の増設を同時に要求することはできないと主張した。

過去11日間の抗議デモでは2人が死亡し、600人以上が負傷した。

大統領は「市民と市民の要求を、暴徒らと混同することはない」とし、「破壊を望み、混乱をもたらそうとする者たちに屈することはない」と述べた。

*文中の表現を明確にしました。

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