日米通商交渉、決して簡単でない=茂木経済再生相

[東京 6日 ロイター] – 茂木敏充経済再生相は6日午前、都内のイベントで講演し、年明けに始まる日米通商交渉について「決して簡単でないが、日米双方の利益になるようにしたい」と強調した。米国が安全保障を理由に自動車への追加関税を主張しているが、茂木再生相は「日本の対米輸出の3分の1が自動車なので、(担当大臣として)私の責任は大きい」と述べ、交渉の焦点が日本経済の生命線である自動車であることを示唆した。

<自動車対米輸出170万台、現地生産380万台>

茂木再生相は、1990年代など日米貿易摩擦の時代と現在の日米関係は異なると指摘し、「日本から米国に年間170万台の自動車を輸出しているが、日系メーカーは米国で年間380万台も生産しており、雇用と生産に貢献している」と説明した。

米国が重視する対日貿易赤字の削減に関し、「日本の(米産)液化天然ガスの輸入は今後拡大し、米貿易収支改善と日本のエネルギー調達多様化に寄与する」と主張。同時に、貿易収支は経済活動の結果であり、政府の役割は自由な経済活動の環境整備であるとの見方も示した。

<TPP、英国の強い参加意向を歓迎>

日本は環太平洋連携協定(TPP)を主導することで「自由貿易の1プレーヤーから主導役になる」と意気込みを語り、来年は新規加盟国との協議を前進させたい意向を示した。候補国としてタイ、インドネシア、コロンビア、英国を挙げ、特に「英国の強い参加意向を歓迎したい」と述べた。

米中関係については「報復関税の打ち合いは、世界経済への影響が懸念される」とし、「中国経済の減速は、対中輸出依存の大きい東南アジアへに影響する可能性がある」と警戒感を示した。一方で、今後の米中関係については「慎重に楽観的だ」とも述べた。

(竹本能文)

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