米国、中米開発に数十億ドル拠出へ 移民抑制の一環

[メキシコ市 18日 ロイター] – 米国は中米の経済成長を後押しし、不法移民を抑制する計画の一環として、同地域の開発に数十億ドル規模の投資を行う。米国、メキシコ両政府が18日、明らかにした。

メキシコのロペスオブラドール大統領は、移民の北上を抑えるため、貧困に悩むメキシコ南部やホンジュラス、エルサルバドル、グアテマラの開発支援でメキシコと協力するようトランプ米大統領に働き掛けてきた。

この日発表された新たな支援の多くは民間投資によるもので、プロジェクトの実行可能性に左右される。既に決定済みのプロジェクトも含まれている。

メキシコのエブラルド外相は記者会見で、米国が中米地域の開発に58億ドルの資金拠出を約束するとともに、海外民間投資公社(OPIC)を通じたメキシコへの官民投資を48億ドル引き上げると明らかにした。OPICを通じた投資のうち20億ドルはメキシコ南部に振り向けられるという。

メキシコと米国は、メキシコを通って米国を目指す中米移民への対応を巡り協議している。米国は、難民申請の審査を行う間、移民をメキシコにとどまらせるよう求めているが、合意はまとまっていない。

メキシコ政府は在留条件を満たす移民を対象に労働ビザを発給する方針を示しており、ロペスオブラドール大統領は米国にも同様の対応を求めている。

エブラルド外相の報道官は、メキシコが向こう数日中に、移民への労働ビザ発給に関する計画を盛り込んだ移民政策の修正を発表することを目指していると述べた。

米国務省は声明で、メキシコと米国が2019年初めに産業界の会合を開き、投資機会について協議するとした。

国務省によると、この日明らかにされた投資額には、米政府が2015─18年に拠出または配分した18億ドルが含まれる。OPICの既存プロジェクトや計画段階のプロジェクトなども含まれている。

*内容を追加しました。

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