米国務長官、オバマ前大統領の中東政策を批判

[カイロ 10日 ロイター] – ポンペオ米国務長官は10日、カイロで演説し、オバマ前大統領の中東政策を批判した。中東地域をイスラム武装勢力やイランの影響下に放置し、混乱の種をまいたとしている。

米国の国務長官が、海外での演説で前政権の大統領を直接批判するのは極めて異例。トランプ大統領は米軍のシリア撤退を表明している。

同長官は、オバマ氏が「過激なイスラム主義の執拗さや凶暴さ」を過小評価したと発言。化学兵器を利用したシリア政権への軍事攻撃を見送ったと批判した。

同長官はその上で「われわれはここから何を学んだか。米国が撤退すれば、往々にして混乱が生じる。われわれが友人を見捨てれば、怒りが募る。われわれが敵と連携すれば、敵が前進する」と述べた。

ポンペオ長官は、オバマ氏の名前は出さず、カイロで過去に演説した「別の米国人」と表現した。オバマ前大統領は2009年にカイロで演説し、イスラム世界との関係改善を訴えた。

同長官は、米軍のシリア撤退方針にかかわらず米国の中東地域へのコミットに変わりはないとの考えも示した。

長官はエジプトのシュクリ外相との会談後、記者会見で「中東地域において米国はエジプトなどの国々との確固たる同盟国であり続ける。テロ撲滅に向け各国が有意義な行動を取るよう求める」と語った。

*内容を追加し、カテゴリーを広げました。

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