米軍縮大使、ロシアに新巡航ミサイル廃棄要求 ロシアは反論

[ジュネーブ/ブリュッセル 21日 ロイター] – 米国のロバート・ウッド軍縮大使は21日、ロシアの新巡航ミサイルシステムは中距離核戦力(INF)廃棄条約に違反するとして、同ミサイルシステムの廃棄を求めた。

ウッド大使は同システムについて、通常弾頭に加え核弾頭の搭載が可能で、500─1500キロ(310─620マイル)の射程距離があるため「欧州とアジアに対する直接的な脅威になる可能性がある」と指摘。「ロシアはINF廃棄条約の順守に向け、検証可能な形ですべてのSSC─8ミサイル、および発射台などの関連設備を廃棄する必要がある」とした。

これについてロシア外交官のアレクサンドル・デイネコ氏はロイターに対し、「条約の禁止条項に抵触していないミサイルを破棄するべきとの最終通告には従わない」と述べ、反論する姿勢を示した。

ロシアはこれまで、米情報機関が指摘する「SSC─8/9M729巡航ミサイルシステム」の開発を否定してきたが、北大西洋条約機構(NATO)外交官によると、現在は同ミサイルシステムの存在を認めている。ただ射程距離は500キロ以下で、INF廃棄条約の対象にならないと主張している。

トランプ米大統領は1987年に締結されたINF廃棄条約の破棄手続きを2月初旬に開始する姿勢を表明。ただ破棄手続きを正式に完了させるまであと6カ月の猶予がある。

米国が主導するNATO同盟はロシアに対しINF撤廃条約の順守を求めることをまだ断念しておらず、29カ国のNATO大使は25日にブリュッセルでロシア政府代表との会合を開く。

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