ブラジル鉱山ダム決壊事故、ヴァーレ職員ら5人逮捕

[リオデジャネイロ/ブルマジニョ 29日 ロイター] – ブラジル南東部ブルマジニョで資源大手ヴァーレ<VALE3.SA>が所有する鉱山のダムが決壊した事故で、ヴァーレの職員3人と請け負い業者の2人が逮捕された。検察当局が29日、明らかにした。ダム決壊で300人以上の死者が見込まれており、当局は刑事事件として捜査を始めた。

ダム決壊でブルマジニョは採鉱廃棄物に呑み込まれた。ヴァーレは捜査当局と協力していると話した。

ヴァーレが共同出資していた近くの鉱山のダムが2015年に決壊した事故はブラジル国民の記憶に新しく、ヴァーレの安全対策にあらためて疑問が出ている。

ロイターが入手した裁判所の文書によると、逮捕されたヴァーレ職員のうち2人は今回事故が起きた鉱山の幹部だ。残り1人の職員の詳細は明らかでない。請け負い業者の技術者2人はダムが安全であると証言した虚偽の疑いで逮捕された。

ミナスジェライス州当局は殺人と文書偽造、環境破壊の疑いで5件の逮捕状と7件の捜査令状を発行した。

シアーニ最高財務責任者(CFO)は、遺族への慰謝料の支払いや地方政府への納税拡大、河川の清掃、ダムの安全対策への大規模な投資など会社としてできることをすべてやっていると強調した。

それでもなお、ブルマジニョの住人は納得がいかない状態だ。従兄弟や友人らを亡くしたロビンソン・パソス氏(52)は「ヴァーレはミナスジェライスを破壊している」と嘆いた。地元の鉱業労働団体の本部では会計担当者が「事故と言うが、ダムの設計は計画されているものだ。長い間、全ての鉱山ダムについて警告すべき点があったはずだ」と非難した。労働組合は10人に1人以上の割合で労働者を失った。

検察当局や政治家らもヴァーレに不満をあらわにしている。大統領の特別委員会は28日、ヴァーレ経営陣の解任を検討。政府高官らはブラジルの鉱業規制に欠陥があると指摘した。検察当局は、ヴァーレを刑事事件で起訴し、役員については個人的に責任を問うべきだとした。

1月29日、ブラジル南東部ブルマジニョで資源大手ヴァーレが所有する鉱山のダムが決壊した事故で、ヴァーレの職員3人と請け負い業者の2人が逮捕された。ブラジルのブルマジーニョで撮影(2019年 ロイター/Adriano Machado)

1月29日、ブラジル南東部ブルマジニョで資源大手ヴァーレが所有する鉱山のダムが決壊した事故で、ヴァーレの職員3人と請け負い業者の2人が逮捕された。ブラジルのブルマジーニョで撮影(2019年 ロイター/Adriano Machado)

1月29日、ブラジル南東部ブルマジニョで資源大手ヴァーレが所有する鉱山のダムが決壊した事故で、ヴァーレの職員3人と請け負い業者の2人が逮捕された。ブラジルのブルマジーニョで撮影(2019年 ロイター/Adriano Machado)
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