(Photo by David McNew/Getty Images)

酒に酔って王妃の服を引っ張った臣下の結末は

楚の荘王(そうおう、?~紀元前591年)は、ある夜、臣下たちを宴に招いた。皆、心ゆくまで酒を飲み、多くの者が酔った。宴もたけなわの頃、正殿のロウソクが風に吹き消された。その隙に、ある臣下が王妃の服を引っ張った。王妃はすぐさまその者の冠の房を引きちぎり、荘王にこう言った。「ロウソクが消えた隙に、私の服を引っ張った者がいます。私はその者の冠の房を引きちぎりました。ロウソクを灯しさえすれば、それが誰だかすぐわかります」。すると、荘王は、「私と酒を飲むのに、冠の房をはずさないとは何事だ」と言って、皆に冠の房をはずさせた。荘王はそこでロウソクを灯し、先ほどと同じように、臣下たちと心ゆくまで酒を飲んだ。

後に、呉国が兵を挙げて楚の国に攻めてきた。楚の国に、戦闘のたびに先陣を切って戦い、敵陣に攻め入って敵兵を打ち破る者がいた。そして、ついには、敵の将校の首を討ち取って荘王に献上したのである。荘王は不思議に思い、その臣下に、「わしはこれまでお前を寵愛したことがないのに、お前はなぜわしにこれほどまでに尽くしてくれるのだ」と尋ねた。すると、その臣下は、「以前正殿で冠の房を無くしたのは私です」と答えた。

あの宴のとき、その臣下が酒に酔って礼を失したにもかかわらず、荘王は寛大な心で、それを咎めることも無かった。彼は、それをずっと深心に留めており、荘王の寛容な振る舞いに報いるために、身を呈して敵を退けたのである。

▶ 続きを読む
関連記事
砂糖代替品キシリトールの血中濃度が高い人で、心筋梗塞や脳卒中リスク上昇との関連が示されました
膝が痛いのに、反対側の肘を押す? 中医学のツボ、運動、温め方、食事から、膝の痛みを全身で見直します
掃除機の音に怯え、震えてしまう子犬。ネット上で見かける「掃除機を大声で叱りつける」といった間違った対処法は、実は恐怖心を煽るだけだった?犬の優れた聴覚や感覚過負荷のメカニズムを解説し、愛犬と掃除機のあいだに良い印象を育む段階的な慣らし方を専門家が紹介します。
いお茶やコーヒーをそのまま飲む習慣に注意。非常に熱い飲み物とがんリスクとの関連を研究が示しました
唐代の奇書『酉陽雑俎』を手がかりに、未知を排除せず包容する中国文明の精神と世界の広がりを描き出す。古人の謙虚な姿勢から学ぶ