トランプ米大統領、対中関税引き上げを延期 協議進展受け

[ワシントン 24日 ロイター] – トランプ米大統領は24日、週末の米中通商協議で「大きな進展」があったとし、3月1日に予定されていた中国製品に対する関税の引き上げを延期すると表明した。

また、協議がさらに進展すれば中国の習近平国家主席と直接会談して最終合意を締結する考えも示した。

トランプ大統領はこれまで、交渉期限内に合意がまとまらなければ、中国からの輸入品2000億ドル相当に課している関税率を10%から25%に引き上げる計画を示していた。

大統領はツイッターで、知的財産権の保護や技術移転、農業、サービス、通貨など両国の意見対立があった分野で協議が進展したと明らかにした。

進展を受けて、「3月1日に予定されていた米関税引き上げを延期する。双方がさらに進展するという前提で、最終合意の締結に向けた習主席との首脳会談をマールアラーゴで開催するため準備を進める見通しだ」と表明した。

マールアラーゴは米フロリダ州パームビーチにあるトランプ氏の別荘で、過去にも習主席を招いたことがある。

トランプ氏は、新たな交渉期限は示さなかったが、ホワイトハウスに集まった州知事らに対し、協議で全てが順調に進めば「1─2週間以内に非常に大きなニュース」があるかもしれないと述べた。

ホワイトハウスは協議にどのような進展があったのかについて詳細を明らかにしていない。

中国国営の新華社は論説記事で、合意の達成に「ますます近づいている」と報じた。ただ、最終段階に近づくにつれて交渉はさらに難しくなると警告した。

「新たに不透明感が浮上する可能性は排除できない。米中貿易摩擦が長期的で複雑かつ難しい問題であることを明確に認識する必要がある」とした。

JPモルガン・アセット・マネジメントの市場ストラテジスト、タイ・フイ氏は、交渉延長は、双方が摩擦の解消を望んでいることを示していると指摘。摩擦がさらに激化した場合は米経済の先行き懸念を増幅させることになるとした。

市場はこのニュースを好感している。米株価指数先物は24日夜に上昇して取引を開始。S&P500種Eミニ先物<ESv1>はトランプ氏のツイートを受けて小幅に上昇、約0.3%高と25日の米株市場が上昇して始まる可能性を示唆している。

豪ドル/米ドル<AUD=D3>も上昇。MSCIアジア太平洋株指数(除く日本)<.MIAPJ0000PUS>は0.14%上昇して昨年10月以来の高値を付けた。

中国株式市場と人民元相場も大幅に値上がりした。

協議に詳しい関係筋によると、双方は24日の協議で通商合意がまとまった場合にどのように履行を徹底するかについて話し合ったという。関税やコモディティー(商品)も取り上げられた。

米国側は中国が約束した改革を確実に遂行するよう、強力な合意履行の仕組みを求めているが、中国側はこれまで「公正で客観的な」手続きを主張してきた。別の関係筋は、合意履行の問題は23日時点でまだ、妥結を阻む難所となっていたと明かした。

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