米、オピオイドで薬販売大手初の告訴 「安全より利益優先」

[ニューヨーク 23日 ロイター] – 米政府は23日、オピオイドの流通で患者の安全より利益を優先した疑いで、薬販売大手のロチェスター・ドラッグ・コーポレーティブ(RDC)と幹部らを刑事告訴した。オピオイドを巡る薬販売大手に対する刑事告訴は初めて。

RDCは2000万ドルを支払うことで同意し、訴追延期合意を交わした。独立した3年間の順守監視を条件に営業を継続でき、諸条件に適合すれば訴追回避も可能という。

同社は2012年1月から17年3月まで、不適切使用の内部警告が出ていたにもかかわらず、オキシコドンやフェンタニルなどの規制薬物を流通させ、麻薬法に違反したと認めている。

バーマン連邦検事はこの警告について、注文規模や現金払いの薬局顧客、法執行機関の捜査対象などになっている医師処方箋の激増が含まれると説明した。

検察側は、同社が12年から16年にオキシコドンなど疑わしい注文約8300件を特定しながら、麻薬取締局には4件しかを届け出なかったと指摘した。

バーマン検事によると、こうした管理体制の緩みを背景に、同期間中にオキシコドン錠剤の売り上げを800%強、フェンタニルの投薬量を2000%程度押し上げたほか、最高経営責任者(CEO)を務めたローレンス・ダド氏の報酬額が倍以上増えたという。

ダド容疑者は、違法麻薬の流通や米国に対する詐欺共謀罪で起訴された。同被告は保釈される見通し。

バーマン氏は「この国は処方箋悪用の危機に見舞われている。強欲が原動力だ」と指摘した。

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