英が目指す中東航路安全巡る連携、仏伊などが賛同=外交筋

[ブリュッセル 23日 ロイター] – 英国が中東ホルムズ海峡における船舶の安全確保に向け欧州諸国と連携する計画を打ち出したことに対し、フランス、イタリア、デンマークが賛同を示した。欧州連合(EU)の複数の外交筋が23日、明らかにした。

イランの精鋭部隊「イスラム革命防衛隊」は19日、英船籍の石油タンカー「ステナ・インペロ」をホルムズ海峡で拿捕(だほ)。これを受け英国のハント外相は22日、同海峡を航行する船舶の安全確保に向け欧州が主導する態勢の構築を目指すと表明した。米国も6月下旬に北大西洋条約機構(NATO)で類似の連携を呼び掛けたが、欧州諸国は明確な反応は示していなかった。

EU外交官は「米国ではなく英国が呼び掛けたことで、欧州諸国は集結しやすくなる」と指摘。ただ「航行の自由は必要不可欠なため、米国のイランに対し最大限の圧力を掛ける戦略とは区別して考える必要がある」とも述べた。

英国はハント外相が22日に議会でこの構想を明らかにしてから初めてとなる他の欧州諸国との会合で、想定する連携にはEUのほか、NATOや米国も直接関与しないと説明。このほか、英国の外務省と国防省は、イタリア、スペイン、フランス、ドイツの該当省庁と、船舶に加え、航空機も関与する構想について協議を行ったことも明らかになった。

ただ英国がEUを離脱することを踏まえ、想定される連携はEUのソマリア沖の海賊対策に向けた「アトランタ作戦」より緩い構造のものになるとみられている。

外交筋によると、英国はスウェーデンなどとも協議を進める可能性がある。このほか、英国はオマーンに、フランスはアラブ首長国連邦(UAE)に海軍基地を持っていることから、想定される連携は英仏が共同で指揮を取る可能性がある。

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