日韓関係は非常に厳しいが、連携すべきは連携必要=菅官房長官

[東京 2日 ロイター] – 菅義偉官房長官は2日午前の会見で、安全保障上の輸出管理で優遇措置の対象としている「ホワイト国」のリストから韓国を除外する政令改正を同日閣議決定したことを明らかにした。一方、日韓の安保協力については「日韓関係は現在非常厳しい状況にあるものの連携すべき課題はしっかり連携するのが重要」と強調。北朝鮮に関する韓国との情報共有についても、しかるべき意思は疎通していると述べた。

<ホワイト国除外、サプライチェーンへの影響考えられず>

ホワイト国から韓国を除外したことに関して、菅官房長官は「あくまで優遇措置を撤回し、東南アジア諸国連合(ASEAN)諸国と台湾など、他の国・地域と同様の扱いに戻すもの」と説明。「これらの国・地域にはこれまでも厳格に輸出管理を適応し、密接な経済関係を構築しており、グローバル・サプライチェーンへの影響は全く考えられない」と述べた。

さらに「あくまで、韓国の輸出管理制度に不十分な点があることを踏まえた、輸出管理を適切にするための運用見直しであり、日韓関係に影響を与えることは意図しておらず、ましてや対抗措置ではない」、「安全保障の観点から必要な措置」と指摘した。

<市場動向、常に注視>

トランプ米大統領が対中追加関税第4弾を発動すると表明したことを受けて日経平均株価が大幅安となっていることについては「市場の動向は常に注視しており、万全の対策をとっている」と述べた。

一方、ロシアのメドベージェフ首相が択捉島を訪問したとの一部報道に関しては、「情報収集中」とした上で、「ロシア要人による北方4島訪問は、領土問題に関するわが国と立場を相容れない」と不快感を示した。

米国が要請している、ホルムズ海峡の航行の安全を確保するための有志連合に日本は艦船を派遣しないとの一部報道については、「情勢を注視している段階」と述べるにとどめた。

*内容を追加しました。

 

(竹本能文 編集:田中志保)

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