第二章 政治、社会、経済

法輪功はカルトではない(デービッド・キルガー)

8年前、デービッド・マタス氏と私は、中国の法輪功学習者から臓器が収奪され取引されている事実を人々に認識してもらうための国際的な活動に、ボランティアとして加わった。迫害は1999年半ばに始まったが、独立した調査者として、2001年以前に法輪功学習者から摘出された臓器が売買された証拠は見つけられなかった。改訂版のマタス=キルガー調査報告は、およそ20か国語に訳され、インターネットで発表されている。(www.david-kilgour.comまたは www.organharvestinvestigation.netに掲載)

私たちが中央ヨーロッパのある国の国会へ状況説明に出向いたところ、立法にあたる超党グループはおらず、議員が一人いるだけだった。この議員が他の議員を招いているはずだったのだが、土壇場になってやめたという。彼の会は信仰に基づくもので、法輪功は自分の宗教とは異なるため出席しなかったというのが理由だった。

2006年に調査報告書を発表して以来、マタス氏と私は単独あるいは一緒に約50か国を訪問してきた。法輪功学習者は、他の精神修養のコミュニティーに対して、常に前向きだった。そして、法輪功の理念である「真・善・忍」を否定する宗教はあるのだろうか。1999年半ば以降、中国全土での数え切れないほどの殴打、監禁、拷問、殺害に直面しても、例外なく平静さと非暴力を貫く学習者の姿勢は、迫害の詳細を知る者にとって感慨深い。

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