大紀元時報
第二章 政治、社会、経済

法輪功はカルトではない(デービッド・キルガー)

2019年08月17日 12時00分
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 8年前、デービッド・マタス氏と私は、中国の法輪功学習者から臓器が収奪され取引されている事実を人々に認識してもらうための国際的な活動に、ボランティアとして加わった。迫害は1999年半ばに始まったが、独立した調査者として、2001年以前に法輪功学習者から摘出された臓器が売買された証拠は見つけられなかった。改訂版のマタス=キルガー調査報告は、およそ20か国語に訳され、インターネットで発表されている。(www.david-kilgour.comまたは www.organharvestinvestigation.netに掲載)

 私たちが中央ヨーロッパのある国の国会へ状況説明に出向いたところ、立法にあたる超党グループはおらず、議員が一人いるだけだった。この議員が他の議員を招いているはずだったのだが、土壇場になってやめたという。彼の会は信仰に基づくもので、法輪功は自分の宗教とは異なるため出席しなかったというのが理由だった。

 2006年に調査報告書を発表して以来、マタス氏と私は単独あるいは一緒に約50か国を訪問してきた。法輪功学習者は、他の精神修養のコミュニティーに対して、常に前向きだった。そして、法輪功の理念である「真・善・忍」を否定する宗教はあるのだろうか。1999年半ば以降、中国全土での数え切れないほどの殴打、監禁、拷問、殺害に直面しても、例外なく平静さと非暴力を貫く学習者の姿勢は、迫害の詳細を知る者にとって感慨深い。

 20世紀は、信仰のために集うコミュニティーに向けられた政府の残虐さにおいて史上最悪だった。1900年から2000年にかけて、信仰のために命を落とした人の数は、多く見積もっているかもしれないが、全ての国籍を合わせて1億6,900万人と推定される。内訳は次の通りだ。イスラム教徒 7,000万人、キリスト教徒 3,500万人、ヒンズー教徒 1,100万人、ユダヤ教徒 900万人、佛教徒 400万人、シーク教徒 200万人、バハーイ教徒 100万人。

 異なる信仰間の摩擦、または一つの信仰内での暴行によって死亡している者も多いが、ほとんどは専制主義政権の手で命を奪われている。信仰は、独裁者以外への忠誠心を引き起こすため、独裁政権は全ての宗教を毛嫌いする。毛沢東、スターリン、ヒトラー、ポルポトなどの独裁者は、精神性の信仰を抱く自国民を何千万人と殺害した「人道に対する犯罪者」だ。中国の独裁政権は全ての宗教と敵対する姿勢をとっており、このことが中国全土での法輪功学習者への迫害の第一の主な理由である。迫害は今なお続いている。

 カナダのブリティッシュ・コロンビア居住のクライブ・アンスレイ氏は、最近、次のようにコメントしている。彼は上海で13年間弁護士として働き、現在は法輪功迫害追跡調査国際組織の北米の議長を務めている。

 10万~20万人の法輪功学習者が手術台で殺害されている。臓器が盗まれ利潤のために売られている。このことについて、ささやく者さえいない。ダルフール、ミャンマー、チベットに関しては新聞や全てのメディアが数多く報道している。

 ミア・ファローは、中国が間接的にダルフールで大虐殺を行ったとして、北京五輪を「ジェノサイド・オリンピッック」と呼んだが、1999年以来、毎日、系統的に、中国共産党が直接手を下してきた大量虐殺については一度も言及していない。中国のダルフールまたはチベットに対する暴虐に関する話の中で、法輪功の大量虐殺が引き合いに出されることは一度もない。

 ホロコースト以来、世界が目にしたことのない、獣のような最悪な残虐行為を、メディアは系統的に無視している。現代史上で最も野蛮な「人道に反する犯罪」が15年以上にわたり中国で毎日行われているにもかかわらず、メディアや北米の政治家のほとんどは、不気味な沈黙を続けている。ホロコーストが繰り返されている。新たな残虐さを具えての再来だ。
 
 第二の理由は、旋風を巻き起こすかのように伝わっていった法輪功の人気にある。1992年、創始者の李洪志氏により中国各地で一般に紹介された法輪功は、道教、儒教、佛教に深く根ざし、中国文化特有の気功と精神修養を特徴とすることから、人気に拍車がかかった。中国の伝統文化は、特に1949年から1976年にかけて毛沢東により抑圧されてきた。中国政権の推定では、1999年までは中国全域で7,000万人以上が法輪功を修めており、中国共産党員の数を超えていた。

 法輪功にはヒエラルキーや枠組みがないことは、江沢民と他の共産党幹部にとって不利な要素であった。メンバーや活動をコントロールすることが不可能だからだ。

 以上の要因は、1999年(おそらくそれ以前から)に共産党一党政権を司る江沢民が、法輪功に対する理性を欠いた嫌悪を高めていった背景を説明する上で、役に立つと思われる。

法輪功はカルトか?

 法輪功が「邪悪なカルト」であるという江沢民の「最大の虚言」は、ルワンダ政府がツチ族に関して報道したメッセージを思い起こさせる。1994年の4月から6月にかけてのツチ族の大量虐殺の前のことだった。ロシアのボリシェヴィキも、1917年のロシア革命の後、党がリストアップした敵に同様のことを行った。1933年以降、ドイツ・ナチスは様々なマイノリティ、特にドイツ系ユダヤ人に対して同じ手口を使った。

 1999年以降、共産党政権は、官製メディアを通して中国全域に、法輪功を中傷するプロパガンダを絶え間なく流し、多くの中国人や海外の人々は、党の虚言をそのまま受け入れてしまった。
法輪功に関する報道でピューリッツァー賞を受賞した、ウォール・ストリート・ジャーナルの元北京支局長イアン・ジョンソン(Ian Johnson)氏は、2005年の著書『Wild Grass』で、一党支配による法輪功の迫害に関して多くの点を明らかにしている。

「法輪功をカルトと宣言することは、中国政権がとった最も賢明な行動の一つだ。法輪功は自己の無実を弁護する立場に追い込まれ、欧米の反カルト運動の蓑を被ることで、中国政権の弾圧は合法化されるからだ。当局は反カルト運動に使われる用語を素早く拾い上げ、ウェブサイトを立ち上げ、一夜にして、李洪志氏をジム・ジョーンズ(1978年に912人を殺害したとされる人民寺院のリーダー)やサイエントロジー(メンバーが大金を投じるよう洗脳すると言われる)と同格に置いた」

「政府の主張を裏付けるため、 毒々しい作り話を次々と生み出していった。法輪功学習者は、回転しているはずの法輪を探して自分たちの腹を切る、薬を飲むことを拒否して法輪功の動作をしたために親戚が亡くなった、など…」

「しかし、ほとんどの主張に有効性はない。政府がいわゆる法輪功被害者に単独でインタビューを受けさせないため、彼らの主張を確かめる術もない。たとえ彼らの言い分が受け入れられたとしても、それは法輪功学習者のわずか一握りの話に過ぎない」

「もっと根本的なこととして、法輪功はカルトの多くの一般的な定義に合わない。法輪功学習者は学習者ではない者と結婚する。学習者ではない友人がいる。通常の仕事をする。社会から隔絶した生活をしない。まもなく世界が終焉することは信じない。学習者が大金を法輪功の機関に払い込むことはない。さらに重要なことは、自殺を受け入れない。暴力も受け入れない…」

 2004年6月11日、私はアルバータ大学で開かれた国際会議で、カルトの危険性と新しい宗教の動きについて講演した。内容は私の次のウェブサイトからお読みいただける。(david-kilgour.com/mp/cultsandnewreligions.htm)

 エドモントンのアルバータ大学内のリスター・ホールで開催された同会議で、同大学の学生とカルガリーの中国領事館の職員二人が、法輪功を攻撃するパンフレットを配布していた。この行為は、認定可能な宗教または文化的なコミュニティーに対する憎悪を煽ることを禁止するというカナダの法律に違反するものだ。エドモントン市の警官二人は、パンフレットの内容から、「中国の外交官」を起訴することを勧告したが、当時の司法長官は、起訴への同意を拒否した。外交特権の問題はあったが、当時の私の判断では、司法長官は同意すべきだったと思う。この事件の詳細は我々の報告書のセクション21(憎悪の扇動)に記載されている。警察による報道はセクション30にある。

 我々の報告書にも引用されているが、法輪功に関する調査を行ったモントリオール大学のデービッド・オウンビー(David Ownby)教授は、次のように結論付けている。

  北米の法輪功学習者は教育水準が高く、核家族で生活する傾向にある。多くはコンピュータまたは財務関連で仕事をしている。エンジニアもいる。
  法輪功学習者は法輪功コミュニティーに対する金銭的な義務を持たない。社会から隔絶することなく、法を守る良民だ。
  法輪功はカルトではない。

 オウンビー氏の結論は、学習者と接触のあるデービッド・マタス氏や私を含む、多くの者の独立した見解である。現在115か国ほどに法輪功は存在しているが、法輪功学習者が良い市民で、社会の手本となる人間であることを否定する国はないだろう。ただし中国と、恐らくウラジーミル・プーチンのロシアを除いて。

自由に隔たりはない

 数年前、中国での宗教の迫害を追跡する一人の調査者が、中国全土ではヨーロッパのように数多くのキリスト教徒が礼拝に参加しているが、そのほとんどはこっそり参加していることを指摘した。法輪功のような年月の浅い精神修養のコミュニティーのために、国連世界人権宣言の理念に基づき立ち上がることは、最終的に中国での宗教一般の自由を擁護することになるのではないだろうか。冒頭で紹介した議員の近視眼的な見解は遺憾である。中国の憲法では、国民は「宗教の信仰の自由を享受する」(第36条)と定められている。しかし、「愛国的教会」の域を超える宗派の信仰は否定されることが多い。

 中国共産党政権は、カール・マルクスが提唱した唯物弁証法に基づき、全ての精神修養のためのコミュニティーを異常視する。例えば、カナダのグーグル(Google.ca)で「中国政府によるキリスト教徒の迫害」と検索すると、現時点で197万件がヒットする。多くはぞっとするような内容だ。「キリスト教徒」を、次の言葉に置き換えた時のヒット数を紹介しよう。
外国人 14,800,000件
イスラム教徒 3,180,000件
民主主義者 43,400,000件
女性 6,440,000件
法輪功 290,000件
チベット人 441,000件
ゲイとレズビアン 1,660,000件
ウイグル人 4,210,000件
ジャーナリスト 37,000,000件
弁護士 2,820,000件
投資家 32,600,000件
国外投資家 39,200,000件
起業家 61,000,000件

 ほとんどの「良心の囚人」である法輪功学習者は、世界貿易機関(WTO)の規約に違反する過酷な状況下の労働教養所で、クリスマス・デコレーションなどの様々な輸出用製品を作らされている。

 「中国政府の腐敗」でGoogle検索すると、36,900,000件ヒットする。「中国政府による秘密の処刑」では8,460,000件だ。「中国政府は否定する」では4,140,000件にのぼる。中国政権は偽りの否定に長けている。2003年に中国でSARS感染が広がっていたか、1989年6月に天安門広場で亡くなった者がいるか、法輪功学習者から臓器を収奪・取引しているか、などの疑問に対して、ことごとく否定してきた。

結論

 人間の尊厳に隔たりはない。中国で長期にわたって、毎日迫害に直面している法輪功学習者のような問題に対して、信仰のために集うコミュニティーや市民の共同体全てが一つになるべきだ。自由社会がこのようなことで団結しなければ、世界にまだ残る独裁政権の一部が、前世紀のおぞましい暴挙を繰り返し続けるだろう。
 法輪功学習者は、法輪功を説明する際、宗教というよりは座禅を含む気功動作という表現を好む。上述からも、法輪功がカルトではないことに疑問の余地はない。
 

執筆者:デービッド・キルガー(David Kilgour) 

元カナダアジア太平洋司司長、国会議員、ノーベル平和賞候補者。検察官、弁護士を務めた経験もある。『血まみれの臓器狩り』と『ルワンダの使命』の編集者。長年中共当局による法輪功学習者の臓器狩り問題やアフリカの人権問題などに取り組んでいる。

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