『竹取物語』に秘められた謎(二)
関連記事:『竹取物語』に秘められた謎(一)
いよいよ八月十五日になり、帝から派遣された多くの兵士たちの守衛も、かぐや姫を迎えに来た天人たちの前では何の役にも立ちませんでした。天人の王と思われる人が現れ、かぐや姫を返すよう翁に命じました。翁は必死に抗弁を試みるも、聞き入れられませんでした。そしてなぜかかぐや姫を隠していた戸も、ひとりでに開いてしまいました。かぐや姫は不死の薬と手紙を翁と帝に残し、天の羽衣をまとい、100人の天人と共に静かに天に帰って行きました、との記述があります。
ここでは、作者は天人達がかぐや姫を迎えに来る壮観な場面を見事に描き、そして、天人の前での人間の無力さ、愚かさについての描写もとても印象的でした。
関連記事
一枚の桑の葉が蚕の体内で絹糸へと変わり、礼制や衣冠文化を支え、五千年の中華文明を紡ぎ出していく。小さな生命の神秘と悠久の歴史の源流、そして万物に宿る秩序と思索を描いた文明論エッセイ
茶道に息づく「一期一会」の精神を、日常の何気ない所作や東洋思想の「仁」と結びつけて紐解くエッセイ。二度と戻らない「いま、目の前の瞬間」に全身全霊で向き合うことの尊さを静かに問いかけます
秋分を迎え、昼夜の長さや季節の巡りから天地の陰陽の調和を読み解く一文。四季の移り変わりを一幅の太極図に見立て、自然の摂理と人の生き方・養生の知恵を深く静かに問いかける
唐代の奇書『酉陽雑俎』を手がかりに、未知を排除せず包容する中国文明の精神と世界の広がりを描き出す。古人の謙虚な姿勢から学ぶ
唐代の奇談集に残る「月を修復する人」の物語。中秋の月に重ねて読みたい、神秘的な月の伝説を紹介します。