奄美、中国からの数千人大型クルーズ船誘致案 町長が断念を発表
国土交通省が2年前から、鹿児島県の奄美大島南部・瀬戸内町(人口約8900人)に、中国から数千人あまりの訪日客を運ぶ大型クルーズ船の寄港誘致を持ちかけていた事案で、鎌田愛人町長は8月23日、記者会見を開き、誘致案の受け入れを断念したことを発表した。
町長は、住民の理解が得られなかったこと、第三者を含めた検討協議会からの寄港誘致案に関する7提言が、短期的には実現困難であることなどを理由に挙げた。「民意が反映されず、配慮に欠けた事務手続きが行われたことにより、事実に基づかない内容が住民に浸透した。(町と住民の)対立の構図もできた。長期的に不安と混乱を招いたことを、行政の責任者としてお詫びする」と町長は会見で述べた。
奄美大島は、アマミクロウサギやルリカケスなど、世界的でも奄美群島にしかいない希少生物が数多く住むことから、「東洋のガラパゴス」と呼ばれる。クルーズ船誘致案は、環境専門家からマスツーリズム(大規模な観光計画)は環境に不適合であると異を唱えていた。
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